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邂逅
「どうも、こんばんは」
待ち合わせ場所でそう話しかけてくる男の顔に、声に、既視感を感じる。
明るい表情をしているのにどこか翳りを感じるのはまあ気のせいなんだろな。と、柚希は助手席に乗り込みシートベルトを締める。
それを確認した男は車を発進させる。
「綺麗な顔をしてますね」
「お兄さんこそ男前じゃないですか」
と社交辞令じみた返しをしつつ、やっぱりこの男にはどこか見覚えがある。愛着すら感じるような。
ありきたりな世間話で場を繋いでいるとホテルに到着した。
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