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第8話-2 ********
「ぁ、くるし……」
「大丈夫だ。力をぬけ」
サミュエルが僕の目じりや頬にキスをふらす。優しく甘かされるように囁かれると次第に身体の力が抜けてきた。指の数が2本に増やされるとビリっとした感覚が脳天まで駆け巡った。
「はぁっんん!」
「ここか?」
「んああっ! ……サム? ……なんか……くるっ」
一点をとんとんと叩かれるとビリビリした感覚が全身を走る。痺れるような、下腹部に熱が集まるような……。
「やっ……ぁあっ……ダメっ……サムっ……でちゃう!」
サミュエルの意地悪な指はスピードを速め、僕は耐えられなくなって射精してしまった。何が何だか分からない。
「はっ……はっ……んぁあ……ん」
力をぬけたところに指を増やされる。自分の身体が自分じゃないみたいだ。僕は身をくねらせて喘いだ。それがサミュエルを更に興奮させると思わずに。
朦朧としていると両足を抱えられ肩の上に乗せられた。サミュエルがそのままの体勢で腰を進めてきた。ゆっくりとかなりの重量が僕の中に収まっていく。苦しい。だけどサムのだと思えば耐えられる。
「ぁっぁっ……っ……」
「っ……アル絞めすぎ……だ」
サミュエルが眉間にしわを寄せ何かに耐えている。僕がこんな顔をさせてるんだと思うと堪らなかった。
「大丈夫だから。大丈夫だ」
だから何が大丈夫なんだよ? でも僕を安心させようとしてくれてるのはわかる。そして口下手で手慣れてないところに安心している僕がいる。閨事に遊び慣れてない証拠だから。挿入した後も僕の身体が慣れるまで動かないでいてくれる。そんなサムの優しさが嬉しい。
「サム。動いていいから」
「わかった」
ゆっくりとサミュエルの腰が動き出す。さっきよりも苦しくない。それよりもサミュエルの吐息が艶っぽくてドキドキして興奮する。
「んぁ……サム……ぁあ」
誰だこの喘ぎ声? 僕なのか? 僕の声に同調するようにサミュエルの腰が動き甘い刺激となって僕の身体が波打つ。腰を揺らされると当たる箇所がかわり快感が走った。
「サムっ……サ……ぁんんっ!」
名前を呼ぶたびにサミュエルの腰の動きが早くなる。
「アルっ、アルっ!」
僕の名を呼ぶサミュエルが可愛く思えてくる。
部屋中に濡れた音と僕らの喘ぎ声が響いた。腰から先が溶けてなくなりそうだ。
「はぁんっ……ぁあっサムっ! んぁああっ」
「……くっ! アルっ」
ひとつになれて嬉しかった。腰から下の脱力感と胸いっぱいの幸福感が僕を襲った。
「アル……好きだ」
やっと聞きたかった言葉がサミュエルから聞けた。もうそれだけで僕は充分だった。
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