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抑えきれない独占欲

<side龍臣> ジョバンニさんと同じ場所で働くことができる。 そんな好条件での仕事を世話してくれるというクリスさんの言葉に私は嬉しくてたまらなかった。 けれど、ジョバンニさんの表情は硬い。 彼も喜んでくれると思っていただけに、その反応に少し寂しさを感じた。 彼は私が同じ職場になることを良しとしていないのだろうか。 騎士として誇りを持っているからこそ、私のような素人が騎士団の仲間になることに許せないところがあるのかもしれない。 同じ職場で働ければなんて安易な気持ちを持っていたが、彼を怒らせてまでそこでの仕事を望んではいない。 せっかくクリスさんも私とジョバンニさんとの仲を認めてくれたのだし、騎士団の仕事でなくても働ける場所があるならそれでいい。 どんな仕事だって、この世界で彼のそばにいられるならばなんだってするつもりでいる。 私にとって彼のそばにいられることが全てなのだから……。 そう思っていたが、もしかしたら私が勝手にジョバンニさんとのことをクリスさんに話してしまったから怒っているのかもしれない。 そんな考えが頭をよぎった。 騎士団のような縦社会で上官への報告について手順のようなものがあるのかもしれない。 私がさっきしてしまったことはもしかしたらその手順を全てすっ飛ばしてしまったのではないか……。 だから、怒っているのかもしれない。 そうか、そうに違いない。 ジョバンニさんと部屋に戻り二人になった瞬間、話を切り出した。 私のしでかしたことを誠心誠意謝るつもりでそう尋ねたのだが、彼の反応は全く異なり、むしろクリスさんにはっきりと告げたことを喜んでくれたのだ。 しかも、 「嬉しすぎてあの場でタツオミさんに抱きついてしまいそうになったくらいです」 と天使の微笑みを浮かべながらそんなことを言われて、それこそ天にも昇る心地だった。 我慢せずに抱きついてくれてもよかったのに……。 ああ、だめだ。 ジョバンニさんの可愛い顔を、いくらクリスさんと智己といえども見せたくはない。 ははっ。 私にもそんな独占欲があろうとは……夢にも思わなかったな。 だが、それならばどうしてあの時、ジョバンニさんの表情が暗かったのだろう。 気になって問い掛ければ思いもかけない言葉が返ってきた。 「タツオミさんの作った食事を、その……私以外の人が食べるのが、いや、だったんです……」 ごめんなさいと謝る彼に、もうどうしようもないほどの愛が溢れる。 ああ、なぜ彼はこんなにも純粋で可愛らしいのだろう。 自分の行動が嫉妬だともわからずに、自分のわがままだと思っていたなんて……。 彼への愛おしい感情が抑えきれない。 彼を自分だけのものにしたい。 そして、私のこの溢れんばかりの愛を彼に刻み込みたい。 身体の奥から血が沸騰するような欲情が湧き上がってくる、そんな獣のような欲を彼に訴えた。 ジョバンニが欲しい……と。 それでも彼が拒否するならば、必死で抑えようとする気持ちも頭の片隅にほんの少し残っていたが、彼が頷いた瞬間、その気持ちがあっという間に霧散した。 自分にこんな獣のような情欲があったのかと驚きながら、私は彼を寝室へと連れ込んだ。 恍惚とした表情で見上げる彼の瞳に私の顔が映っている。 その瞳がそっと閉じられたと同時に、私は彼の唇を奪った。 本能のままに激しく貪っていると、ジョバンニの柔らかで形のいい唇が抵抗することもなくスッと開いて私の舌の侵入を許してくれた。 ジョバンニの口内は蕩けるように甘く、私を激しく興奮させた。 何度も舌を絡めあい、吸い付くたびにクチュクチュといういやらしい水音とジョバンニの甘い吐息が漏れる。 それだけで私の興奮は激しさを増した。 キスをしながら、ジョバンニの服に手をかける。 ボタンを引きちぎってしまうほどの衝動を必死に抑えながら、ボタンを外し素肌に触れるとジョバンニの身体がぴくっと震えた。 吸い付くような滑らかな肌の感触にたまらなく興奮しながら、ゆっくりと唇を離すとジョバンニの力の抜けた身体がもたれかかってきた。 どうやらキスを激しくしすぎてしまったようだ。 「タ、ツオミさん……私……」 「ジョバンニ……大丈夫、私に任せて……」 首筋に唇を這わせながら、ゆっくりとベッドに押し倒すと私の眼前にぷっくりと膨らんだ赤い実が飛び込んできた。 「ああ、なんて可愛いんだ……」 「ああっん! そ、こは……っ」 そっと指で弾くと、可愛らしい声をあげながら身悶える。 「タ、ツオミさん……」 快感に震えるジョバンニの姿に一気に滾ってしまうが、それと同時にこんなにも可愛らしい姿を他の誰かが見たのだろうかと思うと途轍もない嫉妬に狂いそうになる。 出会ってもいない頃のことまで干渉するのは男としてみっともないのはわかっている。 ジョバンニはこんなにも魅力的なんだから、今まで愛した相手がいないわけがないじゃないか。 私だってこの歳になるまで一切の経験がないとは言わない。 ジョバンニの過去の相手に嫉妬するより、彼がこれから先以前の相手を思い出すことがないくらいに愛せばいいんだ。 全てを上書きしてやろう。 ジョバンニは私だけのものだ。 そんな思いに駆られながら、私はジョバンニの乳首にむしゃぶりついた。

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