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第1話 俺と結婚するか?(2)★
(……ムカつく)
侑人は唇を噛んだ。わざわざ言わせようとするなんて、まさに「オヤジくさい」と思うし、人として趣味が悪い。
「恥ずかしいからやだ」
「言わないとやらねえぞ?」
高山が意地悪く笑って、亀頭を後孔に擦りつけてくる。
そこは物欲しそうにヒクつき、今にも高山のものを受け入れたがっていた。だというのに当人は一向に挿入しようとはせず、ただ入口を擦るだけだ。
「ん……ふっ」
もどかしさに侑人は腰を揺らしてみる。が、それでも動こうとしてくれない。
(くそ、このエロオヤジ)
心の中で悪態をつくも、体の疼きはますます酷くなるばかりだ。
早く欲しい――次第にそれだけしか考えられなくなって、観念するしかなかった。渋々と蚊の鳴くような声で呟く。
「ほ、ほし……」
「ん?」
「いいから、早く挿れろよ……っ」
半ば自棄になって言い放てば、高山は眉根を寄せて苦笑した。
「本当は、もっと可愛げのある感じでねだってほしいんだが」
「わ、悪かったなっ。可愛げがなくて!」
「いや? お前は今のままでも十分可愛いよ」
何を言っているんだ、と言葉を返すまでもなく横から唇を塞がれた。口内を蹂躙される感覚に肩を震わせれば、それを合図にするかのように高山が腰を進めてくる。
「ん、んん……っ」
肉壁をずぶずぶと押し広げながら侵入してくる屹立。待ち望んでいた感覚に全身が歓喜しているのがわかった。
「瀬名――」
やがて最奥まで到達すると、高山は馴染ませるように動きを止めた。
コンドームを隔てても伝わる熱。その形や硬さ、脈打つ感覚に、侑人は恍惚の吐息を漏らす。
「っは、高山さ……」
「わかってる。動くぞ」
短く答えてから、高山は緩やかに腰を動かし始めた。最初は浅く出し入れし、徐々にストロークが大きくなっていく。
「あ、ん……ああっ」
肌同士がぶつかり合う音と、結合部の卑猥な水音。そして、二人の息遣いが室内に響き渡る。
もちろんのこと、高山は快感を得やすい箇所を熟知していた。カリ首のちょうどいいところを引っかけつつ、前立腺を的確に突いてくる――。
その快楽たるや、まさに麻薬のようだ。一度味わってしまえばもう抜け出せない感覚に、思わず眩暈を起こしそうになる。
「やっ、あ、そこばっか」
「なに? ここじゃなくて、奥に欲しいって?」
言うなり、高山は両腕を掴んできた。身動きが取れない状態で、背後から容赦なく最奥を穿ってくる。
「ひ、ううぅ……っ!」
あまりの衝撃に侑人は背をしならせて喘いだ。
その反応を見た高山はニヤリと笑い、直腸の奥をぐぽぐぽと刺激してくる。
「ほら、もっと声出せよ。こうされるのが一番イイんだろ?」
「あっ、ああ! いー、きもち、いいっ……」
先ほどまで口ごたえしていたはずなのに、今となっては理性など欠片も残っていなかった。与えられる快楽に身を委ね、ひっきりなしに嬌声を上げる。
「可愛いヤツ。よっぽど気持ちいいんだな――奥も吸い付いてきやがる」
耳元で囁かれ、侑人の顔が真っ赤に染まった。
しかし、ふとした羞恥心もすぐさま快楽へと塗り替えられてしまう。言葉どおり、体内は高山のものをきつく締め付け、もっといたぶってほしいと言わんばかりに絡みついていた。
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