海浜公園を後にし、二人が向かった先はラブホテルの一室。部屋に入るなり高山に抱き寄せられ、侑人はそのままベッドへと倒れ込んだ。 　スーツを脱がされながらも口づけを交わし、何度も角度を変えて互いを求め合う。息継ぎすら惜しむように舌を絡ませれば、頭の芯がどんどん甘く痺れていくのを感じた。 　何故だか初めてのときのように緊張している。いつもより敏感になっている気がするし、落ち着かなくて仕方がない。 （なんか今日、やばい） 　高山はキスの合間にも、器用にＹシャツのボタンを外してくる。露わになった肌を優しく撫でられ、侑人の体がびくりと震えた。 「っ、高山さん……シャワー浴びないと」 「んなことしてられっかよ」 　片手でネクタイを引き抜く仕草からして、高山も余裕がないのだろう。首筋や鎖骨にも口づけを落とされるが、その間も手が休まず動き続けている。 「せめて電気消すとか……あ、んっ」 　胸の突起に吸い付かれ、侑人の口から上擦った声がこぼれ出た。舌先で転がされたり甘噛みされたりするうちに、そこはすっかり硬くなって、赤く色づいていく。 「っは、あ……ちょっと、がっつきすぎだって」 「余裕なくて悪い。――今日は優しくできそうにない」 「っ！」 　低く囁かれた言葉に肌がぞくりと粟立った。同時に下腹部が熱くなるのを感じ、侑人は小さく身じろぎする。 　その反応を高山が見逃すはずもなく。乳首への愛撫はそのままに、スラックス越しに股間をまさぐってくる。すでに反応を見せている欲望を揉まれれば、たまらず腰が揺れた。 「あ、待って……」 「待てない」 　ベルトのバックルに手をかけられ、カチャリという金属音がやけに大きく響く。高山はスラックスを脱がしにかかっていて、聞く耳など持ってやくれない。 「そうじゃなくって」侑人はなんとか高山の手を押しとどめようとする。「た、高山さんも脱げって。俺だって……触りたい」 　羞恥に顔が火照るのがわかる。が、これでは流されているみたいで嫌だった。 　高山は虚をつかれたような顔をしたのちに、フッと口元をほころばせる。それから荒っぽく服を脱いで、互いに下着一枚の姿になった。 「ほら、好きにしろよ」 　高山が侑人の手を取って、己の胸板へと押し当てる。鍛えられた胸筋は硬く引き締まっており、心臓は力強く脈打っていた。 （心臓の音、すご……） 　相手も興奮してくれているのだと思うと嬉しくて、侑人は吸い寄せられるかのように手を滑らせていく。 　しっとり汗ばんだ肌は不思議と心地よく、腹や背中をそろそろと撫でれば、高山も気持ちよさげに目を細める。 「くすぐったいな」 「嫌？」 「まさか。ただ、余計に煽られるのは確かだな」 「え……」 「早くお前を抱きたくて仕方ない」 　そう言うなり、侑人の下着に手をかけて一気に引き下ろしてきた。 　当然のごとく侑人は慌てたが、高山は容赦なくこちらの脚を開かせ、その間に割って入ってくる。そして、流れるような動作でローションのパッケージを手に取ると、人肌で温めることもなく、直接秘部へと垂らしたのだった。 「ひ、ぁっ」 　冷たい感触に顔を歪めるも、高山はお構いなしだ。指を一本挿入し、中を探るように動かしてくる。 「少し荒っぽくするが許せよ」