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第9話 結婚式と、それから…(6)★
「やだ、高山さっ――イく……も、イッちゃうっ」
近づいてくる絶頂の気配に、息を乱しながら身悶える。すると、高山がラストスパートをかけるように大きく突き上げてきた。
「ほら、カメラの前でイッちまえ。やらしい顔、全部撮ってやるから」
「や、っ……あ、あぁ」
その言葉でカメラの存在を思い出したけれど、もはや耐えることなどできない。侑人は高山のものをきつく締め付けながら、カメラに痴態を晒したのだった。
「ふああぁあ……っ!」
全身が痙攣して、びゅるるっと濃い精液をまき散らす。太腿、そしてシャツにも飛び散らせて、侑人は恍惚とした表情を浮かべた。
長い射精が終わると、途端にぐったりとして高山の胸元に寄りかかる。高山はそれを優しく抱きとめながら、静かに口を開いた。
「約束だからな。録画止めて――」
「い……からあっ」
離れてほしくない、とばかりにしがみつく。侑人は息も絶え絶えに言葉を続けた。
「このままでいいから、もっと……」
恥じらいながらも告げると、高山は薄く笑って、ソファーの上に侑人の体を押し倒してきた。
ずるり、と体内のものが抜け落ち、ぽっかり空いた後孔が外気に晒される。そこは勝手に収縮を繰り返し、高山のことを誘っているかのようだった。
「『もっと』? ……ったく、ケツの穴もこんなにパクパクさせやがって」
「っん……高山、さん」
「わかってるよ。欲しくてたまらないんだろ」
「ん、あ――ああぁっ!」
喪失感を味わうまでもなかった。再び奥深くまで貫かれ、侑人は歓喜の声を上げる。
高山はすぐに動こうとせず、微笑みを携えたまま問いかけてきた。
「今度はお前の好きにしてやりたい。なあ、俺にどうされたい?」
まるでご褒美だとでも言うかのように。その声色はどこまでも慈愛に満ちていて、侑人の唇が自然と言葉を紡いだ。
「……な、名前呼んで」
「ああ、侑人」
「いっぱいキスして……頭、撫でて」
思考がぼんやりとしていて、自分でも何を口走っているのかわからない。しかし、高山は嬉しそうに目を細めて望みどおりにしてくれた。
「侑人、可愛い」
額にそっと口づけを落とし、目元や頬にもキスの雨を降らせる。それから頭に手を置くと、愛おしげにゆっくり撫でてくれた。
「んっ、……ん」
達したばかりの体はひどく鋭敏で、少し触れられただけでもビクビクと震えてしまう。
けれど、もっとしてほしくてたまらない。――気持ちいい。愛されているのが伝わってきてすごく感じる。
「っ、高山さん……きもちい」
心のままに頭を擦り付ければ、高山はクスッと笑みをこぼした。
「こうされるの好き?」
「……ん、すき」
「また随分と、今夜は甘えん坊だな」
甘やかすような囁きとともに、唇を柔らかく食まれる。
そのままゆるゆると腰を動かされれば、脳髄が蕩けそうなほどの陶酔を感じた。
「んっ、あぁ……すご、ぃ……」
もう言葉にならない。前立腺を優しく擦られ、侑人はゾクゾクと体を震わせる。
「ずっとナカがうねってる。感じてるのか、侑人」
「だ、だって……こんなふうにされたらあ……っ」
キスを交わすのも、頭を撫でられるのも、こうしてすべてをさらけ出して繋がっているのも――何もかもが気持ちよすぎておかしくなりそうだ。触れ合っているところから、ぐずぐずに溶けてしまいそうな気さえする。
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