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第11話
影山目線
それからまもなく、大地さんなどのバレー部の人達が駆けつけてきた。
患者(菅原さん)が目を覚ましたということで、医者も来た。
夜中なのにも関わらず、少し騒がしかった。
生きていて良かった。
菅原さんを見るだけで自然と涙が溢れてきて、泣いちゃいけないと思ったけど止めようとしても止めれなくて。
医者は少しだけ様子を見ましょうと言って出ていった。
普段なら、もう面会時間は過ぎていて早く帰りなさいと言っていたのに、今日は言わなくて医者の優しさに嬉しかった。
みんなが菅原さんに寄って話していた。
俺は、みんなを見たらみんなも少しだけ涙ぐんでいた。
泣いていたのは俺と、日向、旭さん、武田先生だった。
「スガ。体は大丈夫か?」
「大地。もう大丈夫だべ、心配かけたな」
「菅原さん〜!生きてて良かったです〜」
と泣きながら日向が言った。
「みんな、ごめんな?心配かけて。そして、ありがとう」
菅原さんも、半泣き状態だった。
今なら言える気がする。
少し怖かった告白も今なら。
「菅原さん。俺、、。」
みんなが俺に注目する。
「ずっと前から好きでした、俺でよければ付き合って下さい。」
生まれて初めての告白。恋。
ほぼ何もかもが初めてだった。
好きな人が目の前で傷つくこと。ましてや恋もまだだった。
俺には、恋なんてする暇なんてなくて、全部をバレーに注ぎ込んでいた。
でも、今、バレー以外に欲しいものが出来た。
菅原さんを見ると、目を見開いて口を金魚のようにパクパクさせていた。そして、目尻に溜まった涙が頬を伝った。
「菅原、さん?」
「あ、えっと、、、俺でいいの?」
「菅原さん以外要らないです」
少しだけ間があく。
「そんなのさ、、。『はい』以外にないよ
俺でよければよろしくお願いします」
その一言があまりにも嬉しくて、気づいたら抱きしめていた。
バレー部のみんなは一拍置いてから拍手をした。
男同士の恋愛なんて、本当なら引いているはず。
でも、みんなは違って。応援してくれた。
みんなにありがとうと気持ちを伝えたかった。でめ、言葉がつっかえて。
「みんな、ありがとう。応援してくれて。
これからもよろしくな」
言おうとしてくれたことを菅原さんが言ってくれた。
「えっと、ありがとうございます。
俺、菅原さんを一生幸せにします。」
親のいる前での放った言葉。
「影山、それ、プロポーズ…じゃない?」
「え?ああ、言われてみれば、じゃあプロポーズってことにして下さい」
菅原さんと影山が大学に行き、同棲するのは
また別の話。
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