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【番外編】ラブリーウサチャンオシオキヘブン⑤*
「うぎゅ……」
押し付けられる。ほぐれたケツの穴に硬いものが。いつの間にくつろげたのか、カゲのズボンの前からいつもの凶悪なそいつが顔を出していた。
先端が濡れて光って、狙いを定めているのが鏡越しに見えた。俺がイっただけで終わるわけなかった。
「ふ……っ、う」
尻尾つきのパンツをずらして、先走りを穴に塗りつけながら、時折ぐっと脅かすように腰を進めてくる。イったばかりの中は、じんじんと重だるかった。
それでも太い先端で穴を擦られると、カゲに仕込まれた身体は「もういらない」とは言えない。もうちょっとだけ欲しいとばかりに、ひくひく動いて応えた。
「いつもみたいに泣いて嫌がらないのか? 今日はタフだな、エロウサギ」
「あが……っ、ひっイっ……!?」
尻をまたばちんと打たれ、油断したところを強引に挿れられた。しつこく舐められて蕩けてるのは入り口のところだけで、奥はまだそれなりに硬かった。けれど、カゲは構わず侵入してきた。
「あ、あっ……! はう、あ、ふ」
いつも息ができなくなる。慣れたとはいえやっぱり痛くて、きつく閉じた目の裏が真っ赤になる。いくらローションで滑りが良くなっていても、太い根っこの方を受け入れるのは、みちみちと音が鳴りそうなほどきつい。極太の杭で腹を刺されて、処刑されているみたいだった。
「ここ、膨らんでるな」
「んぎ……! ふあっ……!」
ローターの刺激で腫れた前立腺のあたりを押されて、また目の奥から涙が出てきた。
気持ちよくて辛い、やめてほしいのにめちゃくちゃにされたい。いつも気持ちがバラバラになる、カゲにバラバラにされる。こんなとこで、外にも隣の部屋にも人がいるのに、物音で何してるかバレてるかもしれないのに。最悪やのに。
「腹の中、気持ちいいな……庄助、好きだ」
「……あああっ、カ……げ」
癖のある低い声で言われて、中で軽くイってしまった。満たされて鼻の奥がつんとなる。カゲはずるい。
つい言ってしまいそうになる。俺もって。でもあかん。一度言ったら決壊すると思う。言葉の響きの心地よさ甘さに負けて、きっと溢れて止まらんようになる。
「好きとかっ……簡単に言うな」
「どうしてだ? ん……ちょっと奥がきついな、痛くないか」
酷いことをやってるくせに、カゲはそんなことを言う。無理矢理掘られてるくらいがちょうどいい、変に気遣われると泣きたくなる。俺なんかの何がええんやって、もっと適当に扱えよって思う。
カゲは俺のことを『お前みたいな人間は初めてだから逃したくない』みたいに言ってたけど、そんなわけないやん。
カゲは特殊な世界に生きてきたからそう思うだけやし、きっと誰かを好きだと言葉にする、その心地よさに酔ってるだけや。だから俺は、カゲの愛情を感じるたびに自分がぐらぐらする。
カゲを信じたいって思うのに、肝心の俺には何もないから。
「痛くない……もうええから、動いて……」
それでも、俺に飽きてほしくない。できるなら一緒がいい。
俺には何もないけど、ホンマ言うたらずっと騙されててほしい。
カゲはずるいけど、俺はホンマに卑怯や。嫌になる。
「う、うっ……は、ぐ……っ、やっあ……」
浅いところを焦らすようにぐちゃぐちゃしてから、気まぐれみたいにたまにぐっと奥に挿れられる。俺の好きなやつ、バレてて恥ずかしい。
カゲは俺が抵抗しないとわかっているから、ずらした下着だけを犬のリードか何かみたいに持って腰を動かしている。
「尻尾、いいな。今度買ってやるから、ウチでも着けてくれ」
「アホかそんなっ……やんっ、カゲ、あっあ……あ~~~っ……」
肩を噛まれて奥を突かれて、また中でイってしまう。まるで獣の交尾みたいだった。行き止まりのその奥のヒダまでカゲのが届く。
苦しかった、腹の中がいっぱいな上に、内臓まで直に押されて吐きそうになる。
「オ……っ、やめ、そ、こ……」
「一回出していいか、この奥のところ」
「…………っぐ」
またや。また、一択の選択肢。つーか一回出すってなんやねん、何発やる気やねん。
「イヤって言っても出すくせに……っ」
「奥で出して、何かの間違いでお前が妊娠したらいいのにって思ってる……っう」
「するわけないやろアホ、きっ……しょい……ぅ、あ」
こぽこぽと注ぎ込まれて身体が震えた。汗ばむカゲの手のひらが、ぎゅっとケツの肉を掴む。俺はカゲの、そういう余裕のなさそうな一瞬を感じるのが好きだった。
何考えてるかいまだにわからんくて、やたら強くて浮世離れしてて、そんな男にぱっと、自分と同じ赤い血が通った瞬間を見るような。カゲも人間なんやなって思える。
「もっとだ、庄助。……いいだろ?」
「んん……っ! あ、ひぅう」
抜かずにそのまま、次は片足を抱え上げて横から犯された。
前言撤回、カゲは化け物や。乱暴に掘られてさっきと違うところに当たって鈍く痛いのも、それ込みで気持ちよくなってしまう。
「あん、あっ……キふ、あっ、ンっ、は」
「エロい声、出てきたな」
性器を全然触ってもらえずに尻ばっかりいじくりまわされて、女にされてる気分で啼いてしまう。奥から零れてきた精液を、もう一度ちんこで肉の壁に塗られる。カゲのものにされてる感覚が半端ない。
「カゲぇ……あっ、もうさっきから、中で、何回か……っ」
「知ってる、締まるからすぐわかる。はあ、好きだ。お前が……イキすぎてだんだん、くたばってくるの見るの、すごく」
「なんっやねん……それ、ぅ、はあぁっ……!」
カゲの張り出た亀頭が前立腺を刮げるように引っ掻いていく。何度も何度も、同じ箇所をがりがり、ぞりぞり。責め立てられて鳥肌がおさまらない。
「やっ、またイクまた、イ……っくぅ……! もういやや……気持ちいい、こわい、あう、あっ……」
今度は薄いザーメンが出た。エプロンはさっき出したのが乾いてパリパリになっている。
身体も頭も重たいのに、カゲのピストンは容赦なく続いていて、俺は、肉のぶつかる音と自分の喘ぎ声を、どこか他人事みたいに聞いている。
この、カゲの言うところのくたばった状態になるともう、何にも抗えない。力があんまり入らないから、快感を散らすことが難しい。いいところを押されたら、そのまま垂れ流すみたいにすぐイってしまう。
「……うっ、あ……ひん、お……お゙っ……」
「あれだけ喚き散らしておいて、最後はされるがままになるのがいいな、お前は。獲物が食われながら死んでいくみたいで可愛い」
可愛さの例えが怖すぎるやろ。ツッコみたかったけどもう、そんな元気はなかった。
なけなしの力で首を反らしたら、鏡の中の自分と目が合った。耳から頬まで真っ赤になって、汗みずくで犯されている。すっかり忘れてたけど、めちゃくちゃ間抜けな格好で。
身体の大きなカゲに捻じ伏せられるような形で、本当にそれはさながら捕食されるウサギのようだった。
「あぁ゙っ、はぁっ……! やめ、死ぬ……身体の中ぐちゃぐちゃなる……」
「ぐちゃぐちゃにしてるんだ。元はと言えばお前がやらしい格好で外をウロウロしてるからだろ」
二度三度と尻を打たれ、爪を立てられた。
「痛っ、痛……だってそ、っんなん……んっ、つーかお前それ、モラハラやぞ、んぉ、ふぎゅっ……」
「なんと言われようと、庄助は俺のものだ。他の誰にも触らせたくない……ほら、次も中に出すから、ケツ締めてろ」
「ぁゔ、もゔっ……ナカ、イヤや……あっギ……! やあぁ~……」
何度目かわからない絶頂に、俺は声を嗄らして泣いた。涙と鼻水が一緒になって顔を伝う。
二度目の精液が注ぎ込まれた穴から逆流して太腿を伝い、黒いニーハイのフリルを汚した。
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