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第二幕 12.プティ・シャノワールに愛の鞭を!③*
「何でもひとりでできるだとか、俺を嫌いになるとか息巻いて出ていって、その結果がこれか?」
「つーかなんでここにおるってわかってん!」
「お前がついてくるなと言ったから、GPSを追ったに決まってるだろ」
景虎が事もなげに言うのが、もう無茶苦茶だと思った。ついてくるなというのは、自分の居場所を教えたくないと同義ではないのか。そこから言わないとわからないのかと、庄助は絶望した。
「最低やぞクソボケ変態ッ! プライバシーの侵害や! もうスマホ買い換える! そもそも、誰もお前に助けてとか言うてないねんっ……!」
正面の鏡から顔を逸らしながら、必死に憎まれ口を叩く。景虎の手が後ろからブラの隙間に入ってきて、びくりと身を縮こまらせた。
「……ゃ……っ」
「口が悪いなお前は……。まあ確かに、助けてとは言われてない。ただ、お前の籍はユニバーサルインテリアにあると言ったな? あのまま向田にヤられてたら、国枝さんの名前に泥を塗るところだったんだぞ」
胸の真ん中より少し左、早鐘を打つ心臓に、景虎の指の背が触れている。ドキドキしているのがバレているかもしれない。
緊張する庄助の乳首を、カリカリと爪が軽く引っかける。
「それ、は……あっ、くぅっ……」
「ヤクザに憧れてるなら、組の代紋がどれだけ大事なのか、少しはわかるだろ。それとも……自分のケツも自分で拭けない“赤ちゃん”なら、俺がまた舐めてキレイにしてやろうか?」
「イッ……いやや……! せやからごめん、て……」
ゆるく勃ち上がり始めた乳首の先端を、指の腹で捏ねる。まだふわふわと柔らかい感触を確かめながら、右胸のブラを引き下げる。薄い色の乳首があらわになると、景虎はそこに電マを押し当てた。
「とりあえず今日はお仕置きだ、庄助」
「やめ……っ、やめろ、お前! 結局やらしいことしたいだけやろっ! そんな、ひゃう……っ!?」
かちりとスイッチを押し上げる音とともに、無慈悲な振動が薄い胸ごと庄助を揺らす。痛いほどの強い刺激が敏感な先端に与えられて、庄助は目をきつく閉じた。
「あんまり汚すなよ。国枝さんに怒られるんだろ?」
「め、めちゃくちゃ、言うな! うっ、ううっ……! く……!」
脇を締めて快感を散らすべく抵抗すると、すぐにスイッチは呆気なく切られた。安堵したのも束の間、景虎は今度は庄助の背後に回ると、椅子越しに顎を掴んで前を向かせた。
「鏡、見てろ」
庄助の全身に、ぶわっと鳥肌が立った。見ないようにしていた鏡の中に、金髪ツインテールの、似合わない女装姿の自分がいる。女の下着で無様に足を開かされて縛られているさまは、直視できない。
「いやや……!」
「顔、逸らすな。自分がどんな顔してるか見てろ」
強い命令口調に、反発心が頭をもたげるものの、どうしたことか口からは荒い息がこぼれるばかりだった。身体が、熱くなった。
もう一度後ろからブラを引き下げられる。びくりと身体に力を入れると、耳に直接、景虎の怒りの色をした声が入り込んでくる。
「胸、突き出せ」
「アホかっ! お前、楽しんで……っぴぎ!」
振動が庄助を襲う。今度は景虎の指に挟まれ括 りだされた乳首の先端に、直に押し当てられている。思わず腰が引けた。
「聞いてたか? 触りやすいように突き出せ」
「……ん、ぐうっ! ひっ……ィ」
手指での愛撫では感じたことのない、機械の細かい震え。刺激の波が絶えなくて、続けられるとおかしくなってしまいそうだ。庄助は言われたとおりに胸を前に反らすと、背後で拳をきつく握りしめて耐えた。
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