274 / 381
【番外編】庄助の有意義な休日②*
そういえば、ここのところ一人でしてないな。する必要がないというか、カゲのせいでそういう欲求が残らんっつーか……。
何って、ナニを。オナニーをしとらん。
俺は、カゲとこんな関係になった今でも普通に女の子は大好きや。
柔らかい身体に抱っこしてもらいたいし、胸に顔を埋めてよしよしされたり褒められたりしたい。だから、性の対象は女の子で間違いない。はず。
それやのにカゲとセックスすると毎回根こそぎ空っぽにされるから、普段一人でしたくなるほどムラムラすることがあまりないっちゅーか。
うーん……。
……観るか。エッチな動画。もちろん、男女のエッチなやつ。
実は最近、俺はちょっと自信がなくなってる。
この先一流の極道になって、早坂の兄さん抱いて! って女の子に言われた時に、ちゃんと役に立つかどうかわからん。
もしかしてカゲのせいで、女の子にちゃんと興奮できんようになってもーてるんちゃうかと、心配でしゃーない。
正直アダルトビデオのサンプルとかで全然抜けるけど、今日はせっかくひとりなんやし、ちょっとじっくり自己と向き合うべく、厳選するかぁ。これは言わば、自分との対話。
思い立ってそのまま、動画サイトをいくつか巡る。時折、ポップアップの広告を誤タップしてしまうのに苛立ちつつ、良さそうな動画にいくつか目星をつけてゆく。どうでもいいけど、俺はアニメの絵の女の子では抜けない派だ。
「ん……」
そうして裸の女の子たちを見ているうちに、少しずつ興奮してくる。ソファベッドに浅く腰掛けて、右手でそっとスウェット越しの股間を下から上へ撫でた。腰の奥がずきんと疼く。
美巨乳ギャルと温泉旅行、ねっとりスローセックスで連続絶頂……いいタイトルだ、これを見よう。
俺は集中するために、テレビを消してワイヤレスのイヤホンを装着した。
シークバーをいい感じのところまで動かして、イチャつき始めたところから開始する。画面の中の女の子は、浴衣の前をはだけて、ガタイのいい男の首に腕を回す。柔らかそうな生の胸が男の浅黒い胸筋にくっついて……うーん、カゲの方がいい筋肉してるけど、このおっさんもなかなか鍛えてそうや。
……いやでも、なんか乳首黒くない? 男のくせに乳首黒いとかなんなん? こんなん女の子も今日よろしくお願いしま~すうわ乳首黒っ! てなったはずやろ。
「はっ……!」
あかん、男の乳首なんか見てる時間がもったいない。日本のアダルトビデオ協会は男優の乳首の黒さ基準を定めて、これ以上黒かったら出られませんっていうのを決めてほしい。
これは決して差別ではなく、あくまで視聴者と女優さんが集中するためであって……とか、アホなことを考えてる場合やない。せっかくのソロ活動やのに、巨乳に集中して、しっかり味わわなくては。
男の大きな手のひらが、女優さんのおっぱいを掴む。強めに揉んで、下からたぷたぷと揺らす。波打つ脂肪のてっぺんのふんわり大きめの乳首をつまんで、指でピシピシと弾いて……。
待って、これ痛そうじゃない? こんな強めに弾く前に、もうちょっとゆっくり盛り上げてくれんと、いきなりこんなんしたらビックリするやん。こいつヘタクソか? 自分の乳首が黒いからって、人の乳首を雑に扱っていいわけないやろ。
ともだちにシェアしよう!

