ふいに、ぬるりとしたものが後ろの窄まりに触れた。 　驚いて見ると、岳の手にローションのボトルが握られている。とろみのある液体をさらに手のひらに受け、七凪の秘所に塗りつけてくる。入り口で円を描く指先が、時々窄まりの中に入りたそうに頭を押し付けてくる。 「七凪、手、止まってる」 「もう、む、無理……」 　七凪の手が払われたかと思うと、いきなり温かい岳の口内にすっぽりと含まれる。 「が、岳、くちっ、うわっ」 　 　初めてそこに経験する熱くて艶かしい感覚に釘付けにされていると、するりと後ろの窄まりに侵入者が押し入ってくる。 「やっ……」 　逃げようとする腰は簡単に動きを封じられる。卑猥な音を立てながら、岳は容赦なく七凪を責める。同時に指は後ろの今まで誰にも触れられたことのない場所を、臆することなく探索してくる。 　岳の口内で受ける快感の波紋に、後ろの初めて侵入者を受け入れる不快感が呑み込まれ、訳が分からなくなる。ときどき意地悪するように甘噛みされると、七凪のそれは喜びの涙を溢れさせた。 　岳の指先がある一点に触れた時、痺れるような快感が七凪を貫いた。それに導かれるように、七凪は岳の口の中で果てた。 　ドクリ、ドクリと白濁した液が小さな口から吐き出される。その間も秘所の奥を刺激され続け、引いていく快楽の波に別の波が重なるように寄せてくる。 　再び頭をもたげたそれが、ふいに冷たい空気の中に放り出されたと思ったら、たっぷりとローションを注がれ、今度は手でしごかれ始める。 「ま、待って、今、イった……ばっか……」 「後ろ、三本入ってるよ」 　岳が低い声で囁いた。 　入り口を押し広げられ、中で波打つような刺激を繰り返される。前と後ろの両方で淫らな音が響く。それが刺激となって快感が増幅される。 　めくるめく快楽とは、まさにこういうことなのだと、真っ白な頭の片隅で七凪は思った。 　そうして、七凪は再び岳の手の中で達した。 　しばらくの間、指の一本も動かせないほど脱力し、視界もぼんやりと霞む。 「七凪、これからだよ、いい？」 　わずかに顎を引いてうなずくと、両足を大きく広げられた。さっきまで三本の指を呑み込んでいた窄まりは濡れそぼり、小さく口を開けている。 　羞恥が再び襲ってきて足を閉じようとするが、すでに岳が足の間に割り入り、それを許さない。視界に岳の凶暴なほどそそり立った雄が映り、にわかに恐怖を覚えた。 「そ、それ、ほんとに入るのかな」 　情けない声が出た。 「怖い？」 　首を横に振ろうとして、コクリと小さくうなずいた。 「ごめん七凪、でももう止めてあげられない。優しくするから少しの間辛抱して」 　そう言って岳は、猛り狂ったそれを七凪の小さな口にあてがった。緊張と恐怖できゅっと入り口が窄まる。 「力を抜いて、それじゃ入らないよ」 　七凪は一生懸命固くなった身体を緩めようとするが上手くいかず、岳の下でギクシャクとなんだか変な動きを繰り返してしまう。 「ああ、どうしよう、七凪、めちゃくちゃ可愛い」 　岳は七凪に唇を合わせてきた。キスの合間に囁き続ける。 「七凪、好きだ。七凪、好きだよ」 　ひときわ圧迫感が強くなると、これ以上ないと言うほど入り口が押し広げられる。 　七凪は岳の背中にしがみついた。 　クプリと一番大きなところが呑み込まれる。岳は激しく口づけながら、自身を七凪に打ち込んでくる。反射的に身体が逃げようとするが、がっちりと岳の下に押さえ込まれてビクとも動かない。 　逃げ場を失った七凪の狭いそこは、なす術もなく岳の欲望を深く呑まされていく。今まで一度もそんな大きなものを受け入れたことがないそこが悲鳴をあげる。 「岳、痛い」 　固く閉じられた目から、いつの間にか滲み出た涙を岳は吸った。 「七凪、ごめん、ごめんよ」 　岳はじわりじわりと押し進み、七凪の最奥に辿り着くとやっと動きを止めた。 「全部入ったから」 　七凪はうなずこうとしたが、息をするのもままならない状態で、一度瞬きをするのがやっとだった。ギリギリと押し広げられたそこは熱を持ち、岳の形を覚えこまされていく。 　岳のものとも自分のものとも分からない脈動が、痛みを交えて伝わってくる。 「動くよ、七凪」 「あ、待って……まだ」 　岳が小さく七凪を揺さぶり始める。わずかな動きのはずなのに、そこから生まれる強烈な刺激に声も出せない。岳は悩ましげに眉根を寄せ、波打つように腰を七凪に打ちつけてくる。 「七凪の中……気持ちいい……」 　低く喘ぎ、だんだんと動きが早く強くなっていく。 　岳とは反対に、とても気持ちいいとは言い難い感覚に七凪は必死に耐えつつも、自分の中で快感に顔を歪ませる岳に愛おしさが募る。