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第40話 バイトの後
話を聞くと、響さんとの三人プレイの後、柏木先輩は和紗とよくつるむようになったらしい。
俺から乗り換えたようなもんだ。
逆に考えたら、あの三人プレイは先輩なりには堪えたんだろう。
それなら最初から二人でやったらいいのに。
俺の目標としたら、先輩がタチで和紗をやれれば全て丸くおさまる。
さすがに先輩がネコだと響さんに悪い。
一応、そうは思っておく。
翌日、俺はバイトだったが、和紗は休みだった。
バイトから帰ろうとしてスマホを見ると、和紗からメッセージが来ていた。
『湊が来てて、酔い潰れて寝ちゃったんだ。この調子だと泊まってくと思う。今から来る?』
メッセージを見てちょっとムッとした。
先輩はレイプされそうになったあの時の怖さをすっかり忘れてる。
いくら和紗がMでネコだからって油断しすぎじゃない?
和紗には、今から行きます、と返事した。
♢♢♢
和紗のアパートに行くと、先輩はすっかり和紗のベッドに寝ていた。
近くに強いお酒の缶がたくさんある。
こんなに飲んでしまうなんて、そりゃ泥酔もするよ……。
「あの……和紗さんがタチもできるならもう、ヤッちゃっていいと思いますけど。」
なんかムカついて、つい言ってしまった。
「い、いや、俺はそんな……大それたことできないよ……。」
タチは、大それたことなんだ……。
まあ、先輩と和紗が絡ませたいが、寝ちゃってるなら意味がない。
先輩の寝顔を見る。
俺の心配も知らずにすやすや眠っていた。
こうやって黙ってれば、可愛いのに……。
いや、ホント、和紗のアパートじゃなきゃどんな目に遭ってることか。
やっぱり響さんの言うとおり、一回痛い目に遭わないとわかんないんだろうか。
泥酔して動けない先輩に、あんなことこんなことをする妄想をする……。
抵抗らしい抵抗もできずに喘ぐ先輩……。
……
…………
………………
いや、いいけど!
エロいけど!
そういう動画があったら思わず課金するけど!
できれば剣道仲間の細マッチョが相手であってほしいけど!
現実にそうなったらダメだって!
「リョウスケ君……どうしたの?」
和紗に声をかけられる。
「あ!いや、どうしようかな、と思って……先輩を。」
「起こすのは……可哀想だよね……。」
「まあ、がっつり寝てますからね……。」
和紗が俺の横にすすっと寄って来た。
「まあ、今日は湊はしょうがないとして……来てくれたってことは……その……俺とは……。」
和紗がもじもじして言う。
ちょっと面倒臭くなった俺は、和紗を勢いよく抱きしめて、キスをした。
「あぅ……あっ……。」
和紗はすぐに俺に身をよじらせた。
よし、こんぐらい吸っておけば今日はもういいだろう。
「……先輩は連れて帰りますね。」
「え……俺の方はもう終わりなの?」
「一昨日したばかりじゃないですか。」
「いや、うん、だけど……。リョウスケ君とはいつでもできるわけじゃないから……せっかくなら今日も……。」
「そういえば、彼女はどうするんですか?」
「彼女は、彼女で……好きだから……。でも、やっぱり、その、俺の気持ち良さはリョウスケ君が上なんだよね……。」
だからって、どっちもなんてズルい。
それなら彼女もシェアしてくれなきゃ不公平だ。
「昨日も彼女としてみたんだけど、うん、体はもうリョウスケ君じゃなきゃ満足できないんだなって……。」
「昨日?昨日……どこでしたんですか?」
「え?そこのベッドで……。」
はああ?!
なんだそれ!
このベッドで?!
いや、もういいだろ、彼女で!
なんで男に犯されたい変態に彼女がいて、俺にいないんだよ!
意味わからん!
「帰ります!」
「ままま待ってよ!何でもするから!」
「じゃあもう和紗さんの彼女ください!俺は男を抱きたいんじゃなくて、女を抱きたいんです!」
急に和紗が黙った。
そうまで言われたら諦めるだろう。
「……一回だけだよ……。」
「ダメに決まってんでしょ!」
和紗は本当に頭がおかしくなったようだ。
男狂い怖い。
「先輩!帰りますよ!ここは変態の館でした!」
先輩が、うーんと唸って、俺の手を払う。
イラッとして力づくで抱き起こそうとしたら、その手を和紗が掴んで、俺を押し倒した。
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