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第18話
「誰に、どこに頼まれたかなんて、言わなくてもいい」
父親は男に言った。
「どうでもいいし、ソイツらが私に出来ることなど何もない」
父親は笑った。
父親はソファの上に息子をおろし、まだ余韻に震えている息子の両足を広げた。
「私はしたいようにするし、欲しいものは何でも自分のモノにする。そうするだけだ」
父親はそう言って、それを実行した。
何だってしてみせる。
例えば息子が犯したければ息子を犯す、それだけだと。
息子は父親のペニスが入ってくるのを喜んだ。
そう、一度だって、嫌がったことなどない。
最初からだ。
そうさせられてきた。
父親望む通りに。
お父さん愛してる
気持ちいい
おっきいの好き
お父さんのお父さんのちんぽ
躾られた通り、喜んで泣き叫び、こんなにボロボロになってても自分から動こうとする。
「ああ、可愛い。この子はオレにヤリ殺されても、最期まで喜んでそうされるだろう。だから、こんなにも可愛い・・・」
父親は息子をゆすり上げながら言った。
息子はつま先まで痙攣し、全身で父親にそうされることを悦んでみせた。
揺すられながら乳首を噛まれて、また痙攣する。
息子の穴は父親を欲しがり、父親のペニスに絡みつき、はなそうとはしない。
その感触を父親は存分に味わう。
「中の具合も良すぎる。身体も心も、オレに抱かれて欲しいと願ってないとこうはならない。この子は苦痛しか与えなくても、オレがイケって言えばイク。なんでもする。オレのためだけのオレの可愛い息子だ。最高だね」
父親は息子で楽しんでいることを隠そうともしない。
イク
イク
気持ちいい
欲しい
お父さん
お父さん
息子も狂ったように父親を求める。
そう作り上げた息子の中を堪能する父親と、父親にそうされることを、心も身体も求める息子。
部下達は、その姿を直視しない。
ただ、男だけが父親を睨みつける。
父親は部下も男も気にせずに息子を楽しんだ。
むしろ見せつけるかのように。
執着はあった。
自分の為に作り上げたおもちゃへの執着は。
「ああ、可愛い。このまま犯し殺されても、喜んでそれを受け入れる。可愛い、可愛い息子。私のモノだ」
父親は笑った。
息子の中のどこも、触れる全てが自分のモノであることを楽しみながら。
でもそうだった。
息子は父親を欲しがった。
父親が犯す穴の、襞の一つ一つさえもが、父親を求めて、触れる肌の全てが父親の体温を求め、父親だけをその目は見つめ、口は父親の楽しませるためにも、父親に捧げる言葉のためにもあった。
父親が聞かせたい言葉だけを聴き、父親の匂いだけを欲しがった。
「息子でなければ、こうはならない。だから楽しいんじゃないか」
父親は笑った。
そしてまた、支配のために息子の中に放った。
お父さん
お父さん
お父さん
息子がまた絶叫した。
父親に満たされることを喜んで。
支配される快楽に。
また深く入り込む。
「お前のおかげで、また息子がもうひとつ深くオレのモノになった」
父親は男を泳がせていた理由をおしえた。
「今からコイツをここで殺させる。お前はそれでも上手にイケるね?」
父親はそう息子に囁いた。
「はい、お父さん・・・」
息子はそう言った。
それ以外の答え方を知らなかった
「・・・・・・ゴメンな。助けてやれなくて」
男が言った言葉は。
確かに息子には聞こえたのだけど。
男はゆっくり父親の部下達に刻まれ殺された。
息子はそれを見ながら、それでも父親との行為に夢中になった。
そう教え込まれてきたのだ。
そうするしか無かった。
男が上げる苦痛の声の中で、刻まれる肉を父親に見せられながら、息子も絶頂の声をあげ、それでも父親を欲しがった。
「お前はオレとこうするのが、何よりも好きなんだよ」
父親はそう囁いて、息子にそれを深く深く教え込んだ。
男が指を切られる前で、連続でイカされ、自分はそうなんだと、父親とすることが何よりも好きなのだと、思わさせられる。
そう思うしかない。
これで息子は。
もっと深いレベルまで父親に従うようになる。
自分を助けようとした男の断末魔の中で、快楽を覚えた罪悪感さえ、父親への従属になる。
「今度はお前の弟の前でしよう。お前はそこででも楽しめる」
絶命した男をみながら、さすがにもう声も出せなくなった息子を抱きしめ、父親は囁いた。
誰よりも優しい声で。
それでも。
出ない声を必死で絞りだし息子は言った。
それはもう一人の息子を恐れる、弟を恐れる息子には受け入れることなどできないはずのことだったけれど。
人を殺す行為さえセックスの道具にされた息子にはもう、断る選択肢など消されていた。
「はい、お父さん・・・」
父親に優しく頭を撫でられて。
そう答えた。
息子は幸せだと思った。
父親が抱いてくれるなら。
目の前の死体を。
何も感じないことを、もう異様だとさえ思えなかった。
父親は笑った。
これほどまでのおもちゃは。
他にはない。
父親は息子をずっと傍におくと決めていた。
息子だから。
息子ほど。
支配が楽しいモノはない
おわり
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