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第22話

「くしゅん」 薫は自分のくしゃみで目が覚めた。寒い。額が痛い。やばいな。体もだるい。 「だいじょぶ。カオル」 リーブの声。他人がいる前で、弱った顔は決して見せない。薫の無駄なプライド。荷物は殴った人に取られたと思ったのに、リュックは背負ったまま。冷たい地面から体を起こしながら薫は言った。 「はい。大丈夫です。お気遣いありがとうございます。リーブ」 「どうして、庇ったの」 「殴られる時にですか。咄嗟に。ですが、最初にわたしを守ろうとしたのは貴方ではないですか。  怖い人たちに逆らってわたしを守ったのか。教えてください」 リーブが途中から焦り出したのは、彼らにわたしが見つかるのを恐れたから。長く喋りすぎました。喋ることは根気がいる。今のわたしには根気も気力もあまりない。今起きていられるのも、わたしの変なプライドのおかげ。表情が無表情しか出来ない事を感謝した。悟られることはない。他人に気遣われるのは苦手だから。 「だんちょ。居たから。笑ってた。だんちょ。ジェリーもだから、たすけたかった。みんな、ボクのせい。ばらばらになった。あやまりたかった。 ボクには資格ない」 「謝る資格ってなんですか?」 「えっ」 「貴方が謝罪をしたいならしたら良い。  謝ることはタダです。気持ちがこもっているかいないかは別になります。謝ることは馬鹿でも出来ます。そこから貴方がどう行動するかではないでしょうか」 わたしは、どうしてこうも説教みたいな話し方しか出来ないのだろう。簡潔に短い言葉で言えたら、体力もそこまで使わないのに。 「そう。だね。ありがとう」 「今。どのような状況かお話を。  鉄格子がはまっているのを見ると、牢屋で良いのでしょうか」 「うん。ここはピオス神殿最下層。牢獄エリア。上まで行くには地上に出る20階に行くには階段しかないよ」 薫は20階まで向かうのに、自分が倒れる自信しかなかった。ピオス神殿についてリーブが詳しく話してくれた。

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