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第23話
ピオス神殿。迷宮神殿と言われるその神殿は、地下は鉄格子だらけ罪人をいれる場所。正確に言うなら鉄格子エリアが1階。2階3階へと続くに連れて、拷問が続き。地上まで辿り着いたら罪が許される。神殿。
「くだらない。拷問なんかで、罪が許される。
ありえないだろ。ありえるわけがありません」
「ごめ」
「リーブに謝ってもらいたいわけではありません。行きましょうか。ここから出て。地上へ」
「牢屋。でられ、出られない」
「平気ですよ。荷物がありますから。
どうして荷物を持って行かなかったのでしょうか」
「外せなかった。こわがってた。
リュック。開かなかった」
「そうですか」
本といいこのリュックといい一体どうなっているのだろう。深く考えてもわたしにはどうせ分からない。薫はリュックの中を探り出てきたのは、針金。鉄格子の錠前の穴に入れた。
カチャカチャカチャカチャ。
「あっ、あの」
「どうか致しましたか?」
「具合。悪い?。針金で開くの?」
質問は別々にする質問ではないだろうか。質問に質問でかえさないように母に何度も言われて、殴られたのを薫は思い出した。
「大丈夫ですよ。少し寒いだけなので、開きました」
ガシャン。錠前が床に落ちる。少し寒いだけ。また薫は嘘をついた。かなり寒い。体が震えるのは見逃してほしい。
「えっ」
「あの。看守。居ないのですね。
普通は逃げないように見張るのではないのかと思ったのですが、行きましょうか」
他にも閉じ込められている。薫は助けるつもりはない。
「他の人。出してあげて」
何も考えていないリーブの言葉に、薫の頭の中で何かが切れた音がした。
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