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エピローグ

 早朝。  朝から波の音が心地よく響く。  砂浜の上で秋は座りながら河瀬の肩に頭を乗せて心地よさげな寝息を立てて眠っていた。  隣にいる河瀬が秋の寝顔を見て微笑む。  とても綺麗な笑顔で。  今、日が登ろうとしている。  温かい日の光。  それを河瀬は目を細めて見た。  そうして秋の耳に唇を近付ける。 「秋君、大好きです」  河瀬がそう囁くと眠ってるはずの秋が、ふふっ、と笑った。  河瀬は笑い、秋の頭をとびきり優しく撫でた。  生きる事が優しい。  生きる事が嬉しい。  清々しい。  今、この瞬間に、そう思えたなら。 「もう少し。後少しだけ……また生きてみようか」  この台詞の後。  その続きは…………。  河瀬は秋の寝顔を見ながら、そっと、乾いた人差し指を唇にくっつけた。

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