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まさかその話を鵜呑みにして、彼なりの「可愛い」を追求した結果、江藤も着たことがないランジェリーに行き着いたということなのか。
いや、追求してそうなるだろうか。
ないないと自分自身に突っ込んでいた時、何か買ったらしい、看板と同じロゴの可愛らしい色合いのショッパーを下げて出てきた。
それからすぐに携帯端末に目線を落とし、そして、来た道とは違う方向に向かう姫宮の後を追った。
彼の洗濯物を洗う時、洋服類を洗ったことはあるが、下着類を洗ったことがなかったと道中思い出した。
そのことに関しては、いい歳で異性に洗ってもらうのは恥ずかしいのだろうと江藤も分からなくもない気持ちがあったので、そこまで気にはしなかったが、今回のあのような店に行ったのならば、こう考えてしまう。
安野らが可愛いと言う前から身につけていたということになる。
何に対しても興味がなさそうな彼のまさかの一面が知れて、嬉しいような、何故それを身につけるきっかけになったのか知りたいところだが。
「今はとりあえず、次に行きたい所にまでついていかないと」
裏通りから出た姫宮が人が行き交う通りに来た途端、身を小さくした。
それはまるで行き交う人と少しでも触れるのを毛嫌っているようだった。
家でしか過ごしてない人が急に見知らぬ相手が大勢いるところなんて酷だろう。
ああまでして、次はどこに行きたいのだろう。
恐る恐るといった手つきである商業施設の中へと入っていったのを、二人の間を歩いていた人らに続いて入っていった。
エスカレーターに乗り、ある階に降りた。
江藤も間を空けて降り、次にそのフロアを見た時拍子抜けしてしまった。
江藤も知っている大手の家具インテリア用品だったからだ。
先ほどの行く人を選ぶような店とは違い、どんな人が来ても支障がないというその落差の激しさに頭が追いつかなかった。
ここはここで一体何の用が。
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