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ー友情ー19
そんな望に、廊下の真ん中で急に足を止めてしまう和也。
すると、次の瞬間にはこうにやりという表情を浮かべ、一人病院の廊下の真ん中でガッツポーズまでしている。
和也は何か良い事でも思いついたのであろう。
和也より先に歩いていた望は急に和也の気配がなくなったのに気付いたのか、辺りを見渡し和也の姿を後方に見つけると、
「おい! 何、一人でガッツポーズまでして何してんだよ! 早く、行くぞ!」
そう言って和也の事を呼び寄せる望。
和也はその望の声に気付いたのか、慌てた様子で望がいる所へと走って来ると、望は和也の頭をポカリとするのだ。
「ここは病院内だぞ……。 いくら、俺が呼んだからって、見本とならなきゃいけない奴が走ってくるやつがいるか!」
「あ、そうだったな……へへ」
そう和也は笑って誤魔化したようだ。
勿論、今のは望が半分冗談で和也の頭をポカリとしてきたのは和也は分かっている事でもあるのだから、和也は何も言わなかったのであろう。
もし本気で叩くのであれば殺気もあるわけだし、もっと強く叩かれているのだから。
望と和也のそういう関係だ。
そして望達は雄介の病室の前まで来るとノックし、
「失礼しまー……」
そう最後まで望が言葉を言い切らないうちに和也は先に雄介の病室の中に入って行く。 今日の和也は何でだか、いつも以上のスピードで雄介の事を支えると車椅子へと乗せるのだった。
「失礼しまーす。 経過の方は良好みたいなので、今日はレントゲンを撮ってみて何でもなかったら予定より早く退院出来ると思いますよ」
今さっき和也が言っていた言葉というのは本来、望が言うべき言葉だったのだが、何か和也には策があるのか和也はいつも以上にテキパキと行動し、雄介の事を検査室へと運ぶ準備をしていたのだ。
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