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ー友情ー26
「あ、ああ! そうそう! 俺の家が近くだからさ、この爆発音聞いたらいてもたってもいられなくてな」
そう望からの質問に慌てたように答える和也。 だがそう慌てて答えたのだからこそ少なくとも、その言葉は嘘なのであろう。 その和也の言葉に望は信じたのか、
「なーんだ、そうだったのか……ま、そうだよな、爆発音を聞いて見て見ぬ振りなんて出来ねぇよな?」
「そう! そういう事! あ! そうだ! そろそろ、俺達も病院も方に戻らないと今頃、病院の方は大変なんじゃねぇのか?」
「ああ! そうだったな! 俺達の方もまだまだ仕事が残ってたんだっけな」
そう会話をした後に望と和也は病院の方へと向かうのだった。
それから数日後。
雄介の元に一通の手紙が届く。
しかも自分の家宛ではなく、消防署宛にだ。
その手紙にはこう書かれていた。
『お前の命は俺が狙っている。
いつでも死ぬ覚悟でいるんだな。
嘘だと思うなよ! この前の骨折の事も捻挫の事も俺がやったんだからな!』
その文字はパソコンか何かの機械的な物で書かれていて筆跡からでは分からないようになっていた。
その手紙を消防署にあるディスクに座って読んでいる雄介。
確かに今までお礼の手紙とかは受け取った事はあったのだが、こういった脅迫じみた手紙を受け取ったのは今回が初めてだ。
それを読み終わった後に手を顎に当て考えてみるものの、今のところはこう雄介が脅迫されるような覚えはない。 寧ろ人を助ける仕事をしているのだから、人からこう恨まれる事はしてない筈だ。 いや稀にこういう仕事をしているからこそ恨まれるような事もあるのかもしれないのだが、今のところはそういった事はなかった筈だ。
だが確かにここに書いてある通り怪我が多くなってきたのは確かだ。 でも心当たりが無いと思ったのか、それを制服の胸ポケットへとしまってしまう。 いや心当たりはあるのだが、もしそうなら雄介の中では信じたくない事実なのかもしれない。
それからの雄介は仕事に訓練にと忙しく、そんな事を忘れた頃に事件は起きてしまった。
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