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ー記憶ー7
「そうか……それなら、ここまで来なくても良かったかな? でも、Uターンするにもできねぇし。 ならさ、俺の家で食べるか? 俺の家、そこ曲がったら十分位だからさ」
「そうなんか? 俺はそれでもええねんけど」
「じゃあ、決まりだな」
望は渋滞している道を抜け脇道の方へと車を走らせる。
しばらく道を走っていると表通りとは違い、車は閑静な住宅街へと入っていく。
先程の表の道とは違い、脇道に一本入ってしばらく走らせると普通に住宅街が広がっているらしく、ネオン輝く街に比べたらひっそりしていて更に暗い。 まぁ、家の灯り程度しかないのだからネオン輝く街に比べたら暗いに決まっている。
ちょっと車を走らせていると住宅街を抜けた所に、ここら辺では地主なのかただのお金持ちの屋敷なのかは分からないのだが、広い屋敷と庭らしき場所が見えてくる。
その屋敷はまだご主人様が帰って来てないのか、怖い位にひっそりとしている。
雄介はその屋敷をじっと見ていると、やがて望が運転していた車の速度が落ち、今雄介が見上げていた屋敷の前で望は車を一旦停止させると何故か望はそこで車を降りて行ってしまう。 そんな望の姿を目をパチクリさせながら見ていると、どうやら望はその家にある門を開けに行ったようだ。
望はその屋敷の門を開け、直ぐに車へと戻って来る。
「ここがお前の家なんか?」
「え? あ、まぁ、まぁな」
「あ、いやな……ちょうどここでっかい家やんなぁーって思って見てた所やったんや」
「そっか……お前はまだここには来たことがなかったんだっけ?」
「……ってことは? あの梅沢さんは望ん家に来たことがあったんか?」
「ああ、たまにな。 前まではたまにここで呑んでたしさ」
「そういう事やったんか」
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