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ー記憶ー8

 話をしているうちに、車は中庭を抜け、ガレージに入っていった。 門の外から見ても広い家だとは思っていたが、実際に見るとその広さに驚かされた。 門や家はどれくらい前に建てられたのか分からないが、建物は古く、洋館風の外観だった。 中庭は整えられ、芝生が青々と広がっているようで、おそらく植木屋さんに剪定を頼んでいるのだろう。 ガレージは整然と車を収めることができるようになっており、シャッターもついていた。周りは木々に囲まれ、現代風のマンションや一軒家がある中で、逆に言えば時代に取り残されたような雰囲気も感じられた。  この家はおそらく代々この場所で住んできたのだろう。 「着いたぜ」 「ああ」  二人は車から降り、望は運転で疲れた様子で体を伸ばす。 「そうだった、飯は買いに行かないとだけど……」  そう言う望。  雄介も体を伸ばしながらそのでっかい屋敷を眺めていたが、いきなり望にそう言われ、反応が遅れたらしい。 「……へ? 今からやったら、もう、コンビニしか開いてへんと違うの?」 「ん、まぁ……コンビニは直ぐそこにあるぜ」 「あー……そういう事な」  そう決めると、二人は今来た道の反対側へと足を進める。  望が言うように、望の家から歩いて五分ほどのところにそのコンビニはあった。  望は籠を持ち、適当に食べたい物を入れていく。  最後にお酒コーナーへと足を向けると、アルコール類も何本か入れ、レジへと向かうのだ。  籠には二人分の物が入っているからか、コンビニでこんなにも買うのかというほどの品物が入っていた。  やはりそれだけ買い込んでいるようだ。会計を済ませると、五千円ほどになっていたようだ。  望はそれをクレジットカードで支払い、そしてレジ袋二袋分を持ってコンビニを後にする二人。  そして雄介は先程のコンビニで買った品物の割り勘分を望に渡すと、再び家に向かって歩き出す。  望は家に到着すると、先に入って買ってきた荷物を一旦玄関へと置いてから部屋へと入り、電気を点けていく。  電気を点け終えると、再び玄関へと戻ってくる望。  そして荷物を持った雄介のことをリビングへと案内するのだ。

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