望は携帯の画面を開く。 『まだ、雄介に電話してねぇだろ？』 　そこには望の心を読まれたような言葉が書いてあった。 　このメールの差出人は和也だ。 　やっぱり自分のことを一番に分かっていてくれている親友なんだと思い出させてくれる。 　そして望は和也に対しては普通にメールを返すのだ。 『悪かったな、まだ、してねぇよ。 流石、お前だよな。 俺のことよく分かってるじゃねぇか……』 　そう望は返信すると数分も経たないうちに和也から返信があった。 『え？ それって、褒めてくれてんのか？』 「はぁ？」 　望は和也の返信に腹立つ。 望の方は普通に返したつもりだったのに、そんな風に返してくるからだ。 　だから望は、 『褒めてねぇとでも言うのかよ！』 　と半分切れ気味に返信したのだが、次の和也からの返信というのは冷静で、 『今ので分かっただろ？ メールじゃ想いは伝わらないってことがさ……』 「あ……」 　確かに和也の言う通りだ。 　そう和也の言葉に納得すると、まだ和也からのメールには続きがあるらしく望は和也からのメールをスクロールしていく。 『因みにさっきのメールで望が俺のこと褒めてくれたのは分かってたぜ。 でも、雄介にはちゃんと電話で伝えろよ！ 俺が見守っててやるから頑張るんだぞ！ っていうのは変なんだけどさ』 　望はそんな和也からのメールに安堵の溜め息を吐くと今までプレッシャーで体を固まらせていたのが嘘かのように体から力が抜けていく感じがしたようだ。 『ありがとう。 俺にとってお前は最高の親友だぜ』