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ー記憶ー71

「おい……。 自分の車を忘れるほど、車に乗っていなかったのかよ」  そう雄介に思わずツッコミを入れた望。 「ああ、まぁ……ここに来てからはあんまり乗ってなかったしな」 「はい?」  望はそんな声を上げてしまう。だってそうだろう。 そんなに長い間乗っていないと言うのだから、バッテリーや雄介の運転に心配してしまうのだろう。  とりあえず雄介に付いて歩いて行くと、 「おー! あったあった!!」  流石は乗っていないだけあるのかもしれない。 そこには新品同様の黒色の四駆が置いてあった。 「これ、乗ったことあるのか?」 「んーまだ、買ってから一回しか乗ってへんのかも」 「自分の運転とバッテリーとかって大丈夫なのかよ」  そう心配そうな声を上げる望。 「まぁ、たまに気が向いた時にはメンテとかそのバッテリーの状態とかっていうのは見てたから大丈夫やと思うで……」 「あ、まぁ……それならいいけどさ」  そうは言うけれど、暫く運転していないというのが心配だ。 だが雄介の方は自信満々に言うのだから、今はとりあえず雄介の車に乗るしかない。 「ほな、デパートでええねんな?」 「ああ」  雄介の車にはナビが付いていて、雄介はそれと無しにナビをセットする。 そして雄介の運転で車は走り出す。 しかし、ブランクを感じさせないほどの運転で、やっと望の方も安心できたようだ。  そして二十分ほどでデパートの駐車場に辿り着く。 「意外に早かったな?」  望は車から降りると体を伸ばす。 「まぁ、ナビのおかげやろな? ナビってこんなにも便利だとは思わなかったわぁ」 「俺もナビ付けようかな?」 「そういや望にはナビ付いておらんへんかったよな?」

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