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ー天災ー9

 流石に火元である十階フロアの非常用扉のドアノブは手袋をしていても、その熱い温度は伝わってきている。  だがこんな所で怯んでいる場合ではない。  雄介は思い切ってそのドアを自分の方へと引き、中に入る。 まだ火が消えていない十階フロアはただただ暑い。 いや、暑いのではなく、熱いという表現の方が適切かもしれない。  雄介は携帯用の消火器を使いながら前へと進み始める。 携帯用の消火器というだけあって、持ち運べるようになっているが、それだけ小型化しているのだから中に入っている消火剤というのはそんなにはない。  その携帯用消火器を慎重に使いながら、雄介は前へと進む。  だが、その女性が言っていた1020室というのがなかなか見つからないでいる雄介。  このマンションの構造は真ん中が筒状になっていて、最上階まで吹き抜けになっていた。  その最上階はガラスでできていて、昼間はきっと太陽の光がロビーまで照らしてくれるだろう。 その吹き抜けを囲むようにして各家が建つ構造になっていた。  雄介は部屋番号を頼りに探していると、 「あった! 1020室! ここだ、ここ!」

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