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ー天災ー12

 空気ボンベの方もいよいよ残りの残圧が少ないようで、後三分しか残っていなかった。  そう、雄介だけがここから逃げれば間に合うかもしれないのだが、やはりここは子供を見殺しにしてまで自分だけ逃げることなんかできない。 そしてボンベ同様に携帯用消火器の方も限界が近いようだ。 こちらも警報音が鳴り出してしまっているのだから。  雄介はもう今はどうしようもない悔しさに打ちひしがれ、その子供の部屋を出ると目の前にあるお風呂場らしき場所で立ち止まる。 何かその場所が気になったのか、雄介は開けてみる。  脱衣所は少し煙は出ているものの、他の部屋に比べれば視界がはっきりしているようにも思える。  そしてもう一つのドア。 こちらは逆に脱衣所とお風呂場に続くドアのおかげで被害がないようにも思える。  とりあえず、雄介はそのドアを開けてみることに決めたようだ。  それでも周りの部屋は火の海なのだから、お風呂場の中だってサウナのような暑さがあった。

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