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ー天災ー62

 睡眠も同様だ。 自分の慣れ親しんだ家でゆっくりとできない状況はストレスが溜まる一因だ。 そして今、そのストレスを解消しようにも、遊ぶ場所さえもない。 そりゃストレスが徐々に溜まってくるのも無理はない。  そして望も雄介も、九時前には外出していく。  しかし和也は望の言うとおりに眠ることにした。  地震が起きてから三日が経ち、初めのうちは助け出された人々よりも、重症者が増えている。 怪我を負っている上に体が衰弱しているからかもしれない。  自然の力は本当に恐ろしいものだ。 あっという間に人間を飲み込んでしまう。  それは救助に行っている雄介にも目の当たりにしていることだろう。  生きている人々もいるが、もう息絶えてしまった者もいる。  本当に今までの平和な街並みはどこへ行ってしまったのだろう。 平らだった道も今では瓦礫やガラスの破片が散らばっており、歩きにくい。 そんな中で生存者を見つける。  しかし、悲しみの中でも幸せを感じる瞬間がある。 それは人を助けたときだ。 瓦礫の中から助けを求める母子がいた。 母親は子供を守るように抱き締めていた。 まずは母親が願っている子供を助け、その後に母親も助ける。 その瞬間、レスキュー隊も母子も笑顔になる。 運が良ければその瓦礫の中で何とか助かっている人々がいる。 次の余震が来たらもう危なかったかもしれない。 もうその時点でそうなっていたかもしれない。

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