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ー天災ー63
そんなことを繰り返して、夕方になるとレスキュー隊は引き上げ、雄介は再び望たちがいる病院へと戻ってくる。
雄介が病院に入ると、まだ多くの人で溢れていた。
もう病室は満室なのだろう。 ロビーにも仮設ベッドなどが用意されていて、本当に多くの人がここに集まっているのだろう。
そんな中を雄介は望たちのいる部屋へと向かう。
部屋に入ると、下の階とは違い、まったく人の気配さえ感じられないほど静かだった。 雄介はテーブルが置かれたソファに向かうと、そこには500mlのペットボトルとパンが六つ置かれていることに気づく。
「やっと、物資も動き始めたのか。」
雄介は渇いた喉を潤すためにペットボトルの蓋を開けようとしたが、途中でやめる。 この分だと、明日まで飲み物がなくなってしまうだろう。
そう思うと、普段生活しているときにどれだけ贅沢をしていたのかがわかる。
そうだ、飲みたいと思えば買いに行けばいい。 しかし、今はそんなことさえできない。
雄介はテーブルの上にあった水とパンを持ち、和也がいるであろう寝室に向かう。
「和也、起きてるか?」
「ん? ああ、まぁ。」
和也は雄介に名前を呼ばれて目を擦りながら半身を起こす。
「起きれそうか?」
「んー……まぁ」
「ほな、飯にせえへん? ……その前に水分取った方がええと思うで。 お前らここ最近、ろくに食事も水分もとってなかったんやろ?」
そう言うと、雄介は和也に水を渡す。
「そうだな、サンキュー」
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