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ー天災ー79

「望……ホンマに俺はお前のことが好きやからな……」  恋人たちにとって『好き』や『愛してる』という言葉は一番の魔法の言葉だ。  とても安心できて、今恋人が側にいることが本当に分かる。  もっと安心したいと思うのはいけないことなのだろうか? 今の望はそう思っているのかもしれない。  今は二人だけの時間なのだから、こう雄介にもっと甘えたいし、抱き締めてもらいたい。 だって今は離れて暮らしているのだから、それくらいはいいんじゃないかと思ってしまう。 「これ以上はええか? これ以上のことすると、俺の方が本当に我慢できんようになるし……」  そう言うと、雄介は望から離れていく。  分かっている。 今は色々なことを我慢しなきゃいけないってことも、それでも恋人が側にいるんだから甘えたいと思うのはいいのではないだろうか。 だが、望にはその一歩を踏み出せないでいた。  望は思いっきり深呼吸をして、半身を起こし、雄介の手を取ってベッドの方へと引きずり込む。 「な、俺たちってさ……少ししかいられないんだろ? だから……」  望の言葉ではここまでが限界だろう。  そう言うと、望は結構、行動派なのかもしれない。 今度は雄介の体の上に覆いかぶさるように乗って唇を重ねる。 「……望? そっか……望がそういう気であるんやったら……」  雄介は望の体をそのままの状態で抱き締めるのだ。 「な、ホンマにええんか?」

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