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ー天災ー96
「でもさぁ、でもさ、こうなんか違うっていうのかな? 望を好きになったのは、憧れっていうのか、かっこよかったというのか、って感じだったんだけど……でもさ、アイツの場合には、ドジで可愛い……」
和也は自分で言ってしまった言葉に手で口を塞ぐ。
「なーんだ……お前、あーだこーだ言ったって、アイツの事可愛いって思ってるんじゃねぇか。 なら、いいんじゃねぇのか?」
どうやら和也は長年、望といるからなのか望の前ではポロっと口走ってしまうようだ。
和也はそこで大きなため息を一つ吐く。
「そだな……認めるか」
「そうしろよ。 さて、戻るか?」
「あ、ああ」
二人は再び診察室の方へと戻るのだ。
診察室へと戻って来ると誰も来ていない事に安心したのか、
「とりあえず、誰も来てないようで良かったよ」
そして丁度、時計がお昼を指したのか診察室にある掛け時計が鐘を鳴るのだ。
「とりあえず、キリがいいし、ここで一旦、休憩にしようか?」
そう望は和也に言いながら和也の背中を叩く。
休憩に入れば、もうそこはプライベートな時間。
だから望はプライベートな気分なんだろう。
「とりあえず、飯に行こうぜ!」
そう和也はまだ裕実には悟られたくはないのか、そう普通に言うのだ。
「ほら、本宮さんも行くぜ!」
「はい!」
望は裕実の背中を押して診察室を出て行く。
そしてご飯というのかパンやおにぎりを受け取ると外の中庭で食べる事にしたらしく、中庭へと向かう。
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