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ー天災ー106

 裕実の意見に望は変な感心を覚えてしまったようだ。 裕実が雄介と望の関係に気づいていたからだ。 「ほな、スマンが……今日は先に寝かせてもうらうわぁ」  そう言うと、雄介は寝室の方へ向かう。  今日の雄介は仕事で疲れていたのだろう。 いつもはしっかりとした足取りなのに、今日の雄介は足元をふらつかせながらベッドへと向かっていた。  本来なら体力回復に点滴でもと思うのだが、今は健康な自分たちよりも患者さんが優先だ。 今はまだ流通が滞っている状態なのだから、当然、薬などは本当に最小限しか使えない状態でもある。  望は雄介が寝室に向かったのを確認すると、息を吐いた。 そして、顔を上げた先に入って来たのは和也と裕実の姿だ。  今度はその二人に呆れたような息を吐き、立ち上がる。 「俺もさ……寝不足だから、寝るからな……」  と二人に告げると、望も寝室の方へと向かう。  さっきまでは雄介も望たちと一緒の場所にいたから、裕実や和也のことはあまり気にならなかったのだが、一人きりにされてしまった今、そんな二人の様子を見ていられるわけもない。仕方なしに望も寝ることにしたらしい。  もし望にあの二人の様子を見ていられるようなら、まだ起きていたのかもしれないが、今の望にはそんな余裕すらなかった。 だったら雄介と隣で寝ていた方がいいのかもしれないと思ったのであろう。

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