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ー天災ー129
今まで望のその攻撃に痛がっていた雄介だったのだが、今度、真面目な表情を見せると再び望の事を柵へと寄り掛からせる。
「ほなら、ええんか?」
その言葉には主語がない。 だからのか望の方は首を傾げていると急に唇を重ねられる。
急な事過ぎて瞳を閉じていなかった望。
要は世間で言う壁ドンに似たような事をされてのキスという事だ。
そして雄介は望の唇から離れると、
「望にそこまで言われたら……今日はもう……我慢出来へん……」
そう言うと雄介は再び望の唇に唇を重ねる。
今度はさっきのとは違い、長く、そして角度を変える長いキスだ。
「……ん……ちょ……ん……」
あまりにも長いキスに望の口からは息が漏れる。
「ちょ、待っ……て……はぁ……」
暫くして雄介は唇を離したのだが、再び切なそうな表情を見せる雄介。
「な……俺らって……もうすぐ離れちまうんやろ? それやったら……今日くらいは……それに、今までやってみんなの為に頑張って来たんやし……」
雄介は切なそうな表情を望に向かいするのだ。
その言葉に望は軽く息を吐くと、
「あ……えーと……ぁ、まぁ……いいんじゃねぇの? そだな……俺達だって、雄介の言う通り今まで我慢して来たんだし……な」
それと同時に望は諦めたかのような、別に雄介とならとでも思ったのか軽く息を吐くのだ。
そして雄介は再び望の唇へと唇を重ねると望の服の中へと手を入れてくる。
望から了解を得た雄介は今まで我慢してきた思いをぶつけるかのように、今日は男になったようだ。
いや今までは望の様子を伺うかのようにだったのだが、今日の雄介は違うと言った方がいいのかもしれない。
本当に今まで我慢していた分こう今まで以上に激しく望の事を求めているという事だろう。
望の体に触れるだけだった手が望の胸の突起へと触れてくる。
「……んっ!」
いきなりで久しぶり過ぎた望は急に触れてきた胸の突起に体をビクリとさせていた。
「ぁ……ちょ……はぁ……んっ!」
確かに雄介にはいいよ。 とは言ったのだが、やはり久しぶりの体には今日の雄介の動きにはついていけてないようだ。 だから体の方はその快感から逃れようとひねってはみるものの雄介には腰を押さえられてしまい、もう逃げる事は出来ない。 いや本気で雄介から逃げたという思いではない。 ただその快感から逃げたいというのか体が勝手に拒否という訳でもないのだが体が勝手に逃げてしまっているという状態なのであろう。
望だって、この行為にまだ慣れた訳ではない。 嫌いでもないのだが。 嫌なのかもしれない。 体はこの後、起きる事を知っている。 だから体が勝手に逃げてしまっているという事なのだろう。
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