311 / 1476

ー天災ー132

「ちょ……ぁ……ゆ、雄介っ! もう! もう!! 無理だからっ!」  そう言って望は柵から手を離すと雄介の頭を押さえて自分から雄介の体を離そうと試みるのだが、そこは離してくれなさそうだ。 寧ろ望を追い込もうと更にスピードを上げる。 「ぁああ! ちょ、マジでっ!」  と口では言っているものの、もう体の方は限界だったのか白い液体を雄介の口の中へと出すのだ。 「ちょ、雄介……マジで……はぁ……はぁ……止めろって……言ったじゃねぇか……」  こうイってしまった後というのは脱力感にみまわれ望はそのまま体を床へと落とすのだが、そこは雄介が腕で望の腰を押さえてくれたようだ。  それと同時に雄介の喉元からは何かを飲み込む音が聞こえる。 「お前……それ……飲み込んだのかよ……」  荒い息と共に切れ切れの言葉で雄介の事を見上げる望。 「まぁな……でも、大丈夫やって……望のやし……」 「そういう問題じゃねぇ!」と言ってやりたかったのだが、今の望にはそんな気力さえもないようだ。  もう雄介に言い返せないような脱力感。 そして呼吸の乱れ当然心臓だってバクバクとしているだろう。  望は呼吸を落ち着かせる為に雄介の肩へと頭を乗せる。  久し振りに恋人の腕の中にいるのは本当に落ち着くのかもしれない。  そして急に望は雄介に甘えたくなったのか、 「……雄介」  と甘えたように言う望。 「え? あ、何?」 「……あ、いや……何でもねぇ……ただ……お前の名前を呼びたかっただけだ……」  そう言われて雄介だって悪い気はしない。 ただその言葉に雄介は微笑むだけだった。  そして望の体を抱き締める。 「落ち着いてきたか?」  そう優しく問うてくる雄介。 その雄介の腕の中で頷く望。 「ほなら、ええ? もう……俺やって……今まで我慢してきたんやし……」 「え? あ……ぅん……」  それはさっき雄介に快諾しているのだから否定は出来ないと思ったのか望は頭を頷かせる。

ともだちにシェアしよう!