久し振りにに見る恋人の体を見て欲情しない男の子はいないだろう。 　勿論、雄介だってその一人だ。 　確かに数日前、望とは体を重ねたが屋上の時にはシャツをはだけさせただけで裸ではなかった。　だからなのか余計になのかもしれない。 　寧ろ雄介の方が裸で望に見せる方が少ないのかもしれない。 「雄介って、やっぱ、いい筋肉してるんだな」 　確かにこの前、雄介が体を拭いている時に見たと言えば見たのだがこうやってマジマジと見たのは初めてなのかもしれない。 　望は興味本位だったのか人差し指で雄介の腹筋へと触れてみる。 「ちょ……それ、こそばいわぁ」 「……え？　だってよ……ココどうなってるのかな？　って思ってさ」 「ん？　望って、天然かぁ！？　ココって腹筋やろ？」 「流石にそれは分かってるよっ！　んー、なんていうのか？　どうしたら、お前みたいに腹筋が割れるのかな？　っていうか、どういう鍛え方したらこんなになるのかな？　って思ってさ」 「そりゃ、毎日、腹筋とかって鍛えておるしな。　まぁ、ここまでになんのに結構かかったけどな」 「そういうもんなのか？」 「まぁ、そういうもんやろ？」 　さっきまでの雰囲気はどこに行ってしまったのであろうか？ 　その望のあまりにも可愛い問いに、そういう雰囲気がどこかに行ってしまったようにも感じる。 　本当によくよく見ているとふくろはぎにも太ももにも雄介はしっかりと筋肉が付いている。 「ホント、お前っていい体してるよな？」 　そう素で言う望に雄介の方が調子狂って来そうだった。 　いつもなら、こう照れながらとか顔を赤くしながらとか、いや寧ろいつもの望ならそういう言葉さえも出てこない筈だ。 　そこに不思議に思いながらも雄介は本気の顔になったのか、 「ほな、ええんやな？」 「あ、ぅん……まぁ……そだよな。　俺がいいって言ってるんだから、その……いいんじゃねぇのか？」 　そう答える望はいつもと変わらない。　そう答える時だって、雄介から視線を外してしまっているのだから。