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ー空間ー6

 和也は深いため息をついてベッドに座り込んだ。  しばらくの間、和也と望は無言のままだった。  仕事が終わり部屋に戻ると、望はスーツのポケットから携帯を取り出し、電源を入れるが、雄介からのメールはなかった。  雄介からの連絡は、望が仕事を終える頃にくるだろうと期待していたが、そうはならなかった。  望は雄介からのメールがないことにがっかりしてため息をつき、自分の席に座る。 「なんで、雄介が……メールしてこないんだろう?」  と望は不満げに言う。 「ま、気になるんだったら、望から雄介にメールすればいいじゃなねぇのか?」  と和也が提案するのだ。  確かにその通りだ。 しかし、望の性格上、望からメールを送ることはないだろう。 さらに、さっきの口論の後ではなおさら難しいだろう。 「……和也は、俺の性格よくわかってるよな?」 「まぁな」 「俺からメールすると思うか?」 「まぁ、そうなんだけど。でも、そんなにイライラするくらいなら、送れって言ってるんだよ」

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