342 / 1476
ー空間ー8
「ああ……ぅん……そうだよなぁ」
やっと望は納得したのか雄介にメールを送る事にしたようだ。
望みたいな性格について来れるのは恋人である雄介位だろう。
フッと雄介の笑顔を思い浮かべると望は雄介の事を思い出す。
雄介はいつだって望には優しい。 そしていつも望には笑顔だ。
望からしてみたら完全に色眼鏡なのかもしれないけど本当に雄介はカッコイイ。 だからなのか、やっぱり今はそんなに喧嘩したくはないと思ったのか望は雄介にメールを打ち始める。
『今、雄介は何処にいるんだ? 今日、泊まる所は? さっきは俺が悪かった』
そう望がメールを送ると十分後にはメールの返事があった。
だが雄介からのメールのは雄介が怒っている気配等はなく、
『ちょ、スマンな。 今はもう新幹線のなかやねん。 今はもう東京に居てないんやって、そうそう! 今日、いきなり行こうと思うて行ったんやけど、まぁ、あの時間にしか会えへんかったって事やんな』
「そっか……そうだったのか。 それを早く言ってくれりゃあ良かったのにな。 今頃、言っても遅ぇんだよ」
と雄介からのメールに小さな声で突っ込むとため息を漏らす。
せっかく久しぶりにプライベートで会えると思ったのに気持ちのいい会い方はしなかったのだから。
さっき確かにあんな事を言ってしまったのだが、あそこで自分が素直に雄介と話しておけば良かったと思ってももう遅い。
そうもうその恋人は新幹線の中なのだから。
ともだちにシェアしよう!