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ー空間ー16

 しかも今日の手術は難しく時間も掛かる。  そうだ望にはこの手術は経験しているのだから時間が掛かる事は知っていた。  その後には、まだ望には仕事が残っている。 今週末にある学会の資料等をまとめておかなければならない。  だがこうやって頑張って仕事をこなしていれば、いずれはいい事があるのであろう。  そう今週末、確かに望には学会がある。 だがその場所が大阪だからだ。 そう大阪と言えば望の恋人である雄介が住んでいる場所でもあるのだから。  望はまだ雄介には今週末、大阪に行くという事は告げていない。 たまには雄介にサプライズ的な事をしようかと思っているからだ。  望はご飯を食べ終えると両頬を叩き自分に気合いを入れる。 「ほら、和也……行くぞ!」  恋人である雄介の事はどこに行ってしまったのであろうか。  もしかしたら雄介と別れる時に今回は雄介は望に向こうに帰ると告げたから望自身にも区切りがついているからなのかもしれない。 だから普段の生活で雄介の事をそんなには考えなくなったのであろう。 「ああ! おう! ちょ、待ってくれよー!」  そんな望の後ろ姿に和也は望の事を追いかける。  和也は廊下を歩きながら、今、和也が思っている事を聞いてみることにした。 「また、最近の望は変わったな? アイツがいなくなってから、寂しくはねぇのか?」  和也はそう心配そうに聞いてみた。 「あ、ああ……今は平気だな。 いないならいないで構わないし、それに、携帯で連絡も取り合ってるしな。 なんか今はそんなに気にはならない感じはしてるけど、そりゃ、寂しいっていう気持ちはない訳じゃねぇよ」

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