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ー空間ー26

 確かに今はもう十一時半を回っている。 診察時間は十二時まで。  だけど、まだ、その時間まで時間がある俺達はもしかしたらギリギリの時間で患者さんが来るのかもしれないと思い待機している状態だ。  そして、その時間を利用して望は学会の為に勉強をしているのだから和也をそれを邪魔する事は出来ない為かゆっくりしていた。  すると十一時四十五分頃に診察室内に響き渡るような金属音が聞こえてくる。  確かに外科診察室の方は診察室が三つあって敷居があるものの入口入って反対側には敷居はない。 要は繋がっている状態だ。  きっと今の音を出した犯人は裕実だろう。 和也は薬棚から降りると音がした方へと向かう。  そして、そこにはやはり裕実の姿があった。  しかし和也からしてみたら裕実に何日振りに会ったのであろうか。 「まだ、お前はそんな事してたのか?」 「スイマセン」 「ま、いいや……とりあえず、ここ片付けようぜ」 「はい!」  さすがは恋人同士とでも言うのか和也はすかさず裕実のフォローへと入る。  そして片付け終えると、 「じゃあ、後でな」  そう和也は裕実に告げると裕実の方も嬉しかったのであろう。 笑顔で和也の事を見上げる。  あまりにも可愛い笑顔に和也は裕実の頭を撫でるのだ。 そして望がいる診察室へと戻ってくる。 「やっぱり、今のは本宮さんだったのか?」

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