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ー空間ー27

「あ、ああ、まぁな」  和也はそう言いながら再び薬棚の上へと座るのだ。 「そういや、お前、最近、本宮さんと会ってなかったんじゃねぇのか?」 「……へ? あ、ああ……まぁな。 だけど、さっき会えたからいいよ」  そう望に対して言う和也。  そう望だって和也と裕実の関係は知っている。 だから気になったもかもしれない。 「お前達なんかは会えるんだからさ……会える時に会っておいた方がいいんじゃねぇのか?」 「うん……まぁ、そうなんだけどよ」 「別に、俺に構う必要なんかねぇんだからな。 和也はさ、俺の事好きだったのにそれを諦めてくれて、本宮さんを見つけたんだろ? なら、もっと恋人との時間を大事にした方がいいんじゃねぇのか?」  そう言う望に目を丸くしたのは和也の方だ。 まさか望の口からそんな言葉が出てくるとは思っていなかったのかもしれない。  確かに望も言う通りでもある。 でも、やはり和也は今は雄介と離れてしまっている望の事を思うと裕実とデートなんかして楽しむという感じにはなれなかったのだが今の望の言葉でこう何かが吹っ切れたような気がする。 「分かった……望、ありがとうな」  そう和也の方は素直に望にお礼を言うのだ。

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