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ー空間ー28

「そろそろ、時間だし、お昼にしようか?」 「あ、ああ、そうだな」  望のその声で時計を見上げると時計は十二時を指していた。  こう今のちょっとした時間で望と和也はは恋の話が出来たような気がする。  きっと今の望は雄介望がくっついたときの和也の気持ちと一緒なのかもしれない。  数ヶ月前、和也望の事が好きだった。 だけどそこに雄介が現れて和也は雄介に負けた。 だから和也はもう望の事を諦め二人の事を応援する側に回っていた。  そうだだから二人が喧嘩した時には二人の間に入って和也は二人の仲を修復する事も出来た。 それはこれからも望とは友達でもいたかったし雄介と望には幸せであって欲しいと思っていたからなのかもしれない。  多分、今の望はその時の和也と一緒の気持ちなのであろう。  和也は望の隣へと歩き一緒に食堂の方へと向かう。 「なんだよー、今日はいやにニヤニヤしてんじゃねぇのか?」 「まぁな。 望に嬉しい言葉を貰ったからさ。 それに、今日は裕実にも会えたしさ。 今日はいい日になりそうだなーって思ってよ」 「それなら、良かったな」  そう望はボソリと口にすると食堂に入って適当にメニューを選び窓側のカウンター席へと向かう。  望にとってここが落ち着く場所でもある。 ここの席は病院の中庭が見えて今のこの季節には新緑の季節というだけあって草花が元気にしている姿を見られる場所でもあるからだ。 そこに癒しを感じるのか望はこの場所が好きだった。 「ホント、望ってこの席が好きだよな?」 「ああ、まぁな」

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