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ー空間ー33

「ゴメン! 今まで寂しい思いさせちまったみたいで……。 せっかく、裕実に告白して付き合い始めたのにお前の事じゃなくて、望の事ばかり俺は考えてた。 だからさ、お前の事、本当に構ってやれなくてゴメン」 「べ、別に僕は平気ですよ……それにここで働いている以上、プライベートの事は二の次ですからね。 それだけ、和也さんからしてみたら、吉良先生の存在は友達以上なんでしょうから」 「あ、まぁ、そうなんだけどさ……」  和也は一旦、裕実から離れると、 「まぁ、望とはもう三年以上一緒にいるからな……アイツの性格知ってるからさ……余計に心配なんだよな。 でも今日、望と話してたら、望が言ってくれたから、こう気持ちが吹っ切れたっていうのかな? だから、前以上に俺達は一緒にいられるかもしれねぇぞ」  そう和也は裕実の事を見つめる。 「だって、吉良先生はいい先生なんですよ! 僕には和也さんと吉良先生の間に何があったかは知りませんが、吉良先生だって恋人がいる方なんです。 きっと、僕達のことも分かってくれてますから……」 「ああ、そうだな。 そういや、今日はやけに望の奴、俺達の事心配していたような……ま、それはいいとして……。 じゃあ、裕実、改めて、宜しくなっ!」 「あ、はい!」

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