車はやがて和也が言っていた焼肉店の駐車場へと着く。 　そしてまた降りる際にも裕実はシートベルトで苦戦していたようで、そこはまた和也がフォローをしイチャイチャしながら車を降りるのだ。 　和也が行きたいと言っていた焼肉屋は他のチェーン店とは違う。 　こう高級感溢れるような店構えで本当に何もかもが高そうだ。 　そして店内はそんなには客がいない。 　お店の中に入ると店員が和也達の所へとやって来る。 　その店員の服装だって紺のスラックスに白色のシャツそして紺のベストを着ているのだが、こういつもピシッとした服を着ているという感じだ。 身だしなみまできちんとしている上に店員の接客だってきちんとしている。 その男性店員は和也達に四十五度まで頭を下げ、 「いらっしゃいませ……」 　と和也達に告げていた。 　そう言われて和也は、 「いつもの場所でお願いします」 　と返す。 　するとその店員は和也達より先に歩み始め、その場所まで案内するのだ。 　そう和也が言ったのは店の奥の方にあるプライベートルームの方だ。 「どうぞ、こちらでごゆっくりとお食事の方をお楽しみ下さいませ」 　そうまた丁寧に頭を下げてくる。 　そして二人はゆっくりとした個室へと腰を下ろす。 「また、ご注文がお決まりになりましたら、テーブル上にございます、ボタンを押して頂ければ、直ぐにご注文の方をお伺いに参ります」 　そう店員は和也達に告げ再び頭を下げると和也達がいる個室から出て行く。