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ー空間ー45

 裕実は和也に恥ずかしい一面を見せてしまったと思ったが、和也の優しい一面を見ることができて満足しているのかもしれない。  それからは自分のペースでお肉を食べることができた。 「美味しいか?」 「はい!」 「なら、良かった」  和也は微笑むと再び裕実の頭を撫でる。 「あー、そうそう! さっきのこと、別に恥ずかしがることじゃないよ……人間ってそれぞれだろ? だから、そういう人間がいたっていいんじゃないのか? それに、俺たちはまだ付き合い始めたばかりなんだし、好きなことは好き、嫌いなことは嫌いってハッキリ言ってもらった方がいいしな。 それに、今はまだまだ自分のことアピールしてきてもらった方がお互いの性格とかわかってくるだろ? それに、俺はもっともっとお前のこと知りたいと思ってるしさ」 「はい! 分かりました! 今度からは和也さんには色々と自分のこと話していきますね」 「あ、ああ、そうだな。 それと、お前のいいところはその素直なところなんだからさ、素直に俺に教えてくれよ」  和也が笑顔を向けると裕実の方も笑顔で、 「はい!」  と大きな返事をするのだ。  和也はそれに安心し、残り少なくなってきたお肉を焼き終えると、裕実の小皿と自分の小皿にも分け、和也の方は全部平らげる。

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