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ー空間ー72

「……だけど」 「だけど……何だ?」  和也はそう意地悪げに裕実に聞く。 だが和也には裕実が言いたい事はだいたい分かっているようだ。 だけど、そういう事は本人の口から聞きたいと思っている。 「もうっ! 和也さん……はぁ……ん……意地悪なんですね……」 「意地悪でも……お前の事は好きで好きで堪らないんだよ」  そう和也は切ないような真剣な表情で裕実に言うのだ。 「やっぱり……ん……和也さんは意地悪過ぎです……よ」  和也の場合にはこう恋人に対しては飴と鞭なのかもしれない。 だが、どちらかと言えば飴の方が八割位しめているような気がする。 「か、和也さん……! あぁ!」  裕実はシーツをギュッと握り締めながら頭を左右へと振っていた。 「今の所なんだろ? 気持ちいい所はさ……でもさ、この体勢だとよく見えないから四つん這いになってくれねぇか?」 「……へ? それって、どんな格好ですか?」 「そんな事も知らないのか? 動物のような格好かな?」  そう言うと和也は一旦裕実の中から指を抜くと裕実にも分かるように和也が見本を見せるのだ。 「こういう格好だ。 足も腕も折り曲げてお尻を突き出すような格好の事を言うんだけど……」  流石にそんな格好をするのは恥ずかしいとでも思ったのか急に顔を赤くさせる裕実。 「別に裕実が嫌だって言うんなら無理にやってくれとは言わないんだけどさ……ただ四つん這いの方が色々とやりやすいって言うのかな? ま、だから、今のは気にすんじゃねぇよ」  和也はそう言うと裕実の方は顔を真っ赤にさせながらも和也の言う通りに四つん這いへとなる。 「こんな感じでいいんでしょうか?」 「ああ、うん……だけど、もう少し足広げてくれるといいかな?」

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