そして四人が再び向かったのは場所は駐車場だ。 　望と雄介が先に歩き和也は自分の車を見付けると、車を鍵で開けると一番先に和也の車に乗り込んだのは望だ。　もう勝手知った和也の車だからだろう。　そしてその後に続いて乗ったのは雄介で、最後に和也も裕実も車へと乗り込むと和也は車を走らせる。 　和也は運転席で運転を始めると、何だかご機嫌になったのか鼻歌を歌い始めていた。 　だがそんな様子の和也に望が口を挟む。 「なぁ、そういや、お前は何処に行くつもりなんだ？」 「ん？　教えねぇよ……まぁ、雄介と俺は確実に楽しめる所だろうな？」 　そう今までにないような笑顔で言う和也。 「はぁ！？　和也と雄介が楽しめる所！？」 　果たしてこの二人に共通の趣味なんてあったのであろうか。　そこは疑問に思うところだ。 　望は本当にその事について真面目に考えているのか、顎に手に当ててまで考えてしまっている。 「ゲーセン？」 「確かに俺の方は好きだけど……雄介は？」 「俺はあんまし好きやないかな？」 「なら、望の答えはハズレー！」 　一体どこからこの車内でクイズ大会が始まったのであろうか。　望が考えている間に車は高速へと入って都心部の方へと向かい始めている。 「遊園地？」 「俺はあんまり好きじゃねぇかな？　だけど、裕実が行きたいって言うんだったら行くような場所かな？」 「僕は行ってみたいと思ってる所ですけどね」 「ああ、そうなのか？　なら、今度時間がある時にな」 　和也は裕実にそう答えると、 「はい！　遊園地もハズレー！」 「ん？　遊園地じゃないとしたら、動物園じゃなさそうだし、美術館って感じも和也にはしないしな？」 　望はそうブツブツと言いながら、まだ和也が行きたいと言っている所を頭の中で考えているようだ。 「じゃ、望が雄介と一番行きたいと思っている場所は？」 　その和也の質問に望は驚いたような顔になっていた。　「雄介と一番に行きたいと思っている場所？」その事について考えているのか大真面目に考えていた望なのだが、何かこうピンと来た場所が出てきたのであろう。　次の瞬間には顔を真っ赤にさせる。 「ちょ、ちょ、待てよ！　俺は一切、そんな事は思ってないんだからなっ！　しかも、雄介と行きたいなんてさぁ」 　その望の答え方に車に乗っていた他三人は笑い始める。 「だけどさ、そう思ってなけりゃあ、望がそこで顔を赤くする必要はねぇんだろ？　ま、じゃあ……望の方も答えが分かったみたいだし行こうか？」 　その和也の言葉に対して言い返す事の出来ない望。　益々、和也が言ってる事が当たっていたという事になるだろう。