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ー空間ー120
「降りへんのか? 和也達はもうとっくに行ってもうたみたいなんやけど。 しかし、あいつ等の場合には昼間っからヤル気満々って事なんやな」
そう雄介はそう笑うものの望は他人の心配より自分の方が不安でいっぱいなのか未だに黙って座ったままだ。
流石に雄介もそんな望に気付き望側にある僅かなスペースに腰を下ろすと話し始める。
「なぁ、大丈夫かぁ? 俺がお前にイタズラし過ぎて怒ってしまってるんか? ほなら、そこは謝るし……スマン……」
そう言うと雄介は望に向かって頭を下げるのだが、望の方はまだ黙ったままだ。
「あー、えーと……やっぱり、いきなりこういう所来んのは嫌やったんか? それとも、俺がここにおんのが気に入らへんのか?」
その問いに望は首を横に振る。
「あ、いや……そこは……雄介がここに来てくれて良かったと思ってるからさ……」
望はひと息吐くと、
「それに、こんなに早く雄介に会えるなんて思ってなかった事だしな。 確かに明日は学会があって、それで雄介の所に行く予定でもあったんだけど、まさか、お前が今日ここに来てくれるなんて思ってみなかった事だったしな」
そう言うと望は雄介の顔を見上げて笑顔を向ける。
「そっか……ほんなら、俺……金掛けてこっちに来たかいがあったって事やんなぁ」
雄介は望の腰に腕を回す。
「ん……ちょ……雄介……」
「何……?」
その望の甘い声に雄介の方は不思議そうな表情をする。
「わ、分からないのかよ」
そう言う望は顔が真っ赤だ。 その表情を見せたくないのか直ぐに俯けてしまう望なのだが、
「お前はどうなんだよ? 久しぶりに俺と会えてさ……嬉しいとかなんて言うのか? そんな感情はねぇのか?」
「あ、……そういう事かいな?」
雄介は望の腰から腕を離すと腕を組み足を組むと正面へと顔を向き直す。
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