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ー空間ー130
「ぁ……いや……何でもねぇよ……ただ、お前の事待ってただけだからよ。 裕実……大丈夫そうか?」
和也は裕実に対し優しくも切なそうな表情から笑顔を見せる。
「はい! 大丈夫ですよっ!」
和也の言葉に対し裕実は笑顔になった和也に安心したのか裕実の方も和也へと笑顔を向ける。
そんなラブラブやイチャイチャモードの和也と裕実に対して雄介と望の方はまだシリアスモードだ。
しかし、あれからもうどれくらい経ったのであろうか。 望の方は未だに顔を上げずに雄介は黙って望の答えを待っているだけの状態が続いている。
そして雄介はまた静かに望の顔を見ずに一言。
「なぁ、望はホンマに俺の事が好きなん? それだけでええから……答えてくれへんかな?」
そう雄介は言うものの未だに望は枕に顔を伏せたままだ。
「そういう事か……もう、望の気持ちよーく分かったわぁ」
そう雄介の方はため息一つ吐くと立ち上がって何処かに行こうとした時、誰かの手によって雄介が腰に巻いていたタオルを引かれ危なく雄介はバランスを崩しそうになるのだが、どうにか立て直し、その引っ張られた方へと視線を向ける。
そう雄介のタオルを引っ張ってたのはもちろん望で、あまりにも強く引っ張られたせいで緩くなってしまったタオルを再び雄介は巻き直すのだ。
「何? 何か俺に用事があるん?」
そう冷たく返してしまう雄介。
だが望はそんな雄介に怯む事なく雄介の肩へと腕を回すと、自分の方へと視線を合わせる望。 そして望は顔を真っ赤にはさせてるものの歯を食いしばりながらも雄介の事を見つめ、
「ホントに分からないのかよ! 逆にこんな状況は俺が寂しいじゃねぇかよ。 俺は久しぶりにお前に会えて、本当の所は嬉しいんだからなっ! ってか、お前の方がどうなんだ? 俺は全くもって今も昔もお前に対する気持ちは変わってねぇんだからな!」
その言葉を聞いて雄介は頭を俯かせると、
「……望なら、そこまでが限界か」
そう言われて望の方は首を傾げている位なのだから頭にはハテナマーク状態だろう。
「……へ? あー……どないしたん? そんな不思議そうな表情して」
雄介はベッドの上へと上がると望の頭を両手で支えて雄介の胸の中へと顔を埋めさせる。
「ホンマ……望はこういう話苦手やんな。 言うとくけど、俺が望の性格の事知らない訳がないやんか……そうや……うん、そう望っていうのはな……めっちゃ、恥ずかしがり屋さんって事かな? せやけど、やっぱ、こんだけ離れておると俺の方が心配になんねんなぁ。 望が俺から離れて行ってしまうんではないかと思うてな。 だから、望からたまに愛の言葉を欲しくなる時があるんやって……そうやね、望が俺にまだ本気でおるんかな? ってな……。 ま、今ので十分に俺への気持ちが伝わってきたし、今日はもうそれくらいでええかな? ってな」
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