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ー空間ー174

 どうやら、そのメールの相手は和也からで、それだけ望たちのことを心配していたのだろう。  今は多分、和也たちの方が心配しているのかもしれない。 飛行機に乗ってからは完全に携帯の電源を切ってしまっていたので、今までそのメールが来ていたことには望は気づいていなかった。  そうだ、相手と連絡を取れないのだから、これだけたくさんの着信やメールの数を見れば、どれだけ和也が心配していたのかが手に取るように分かる。 『大丈夫か? 今、ニュースで望たちが乗っている飛行機がハイジャックされたって聞いて飛行場にいるんだけど……』  最初のメールにはそう書かれていた。 『今度は雄介の話が出てきたぞ! さすが雄介だよなっ! 望が選んだ恋人にふさわしい男だぜ』  次に来たメールにはそう書かれていた。 普段はそんなことを言わない和也なのに、今日に限ってはそんな励ましのようなメールを送ってきていた。 それから何通ものメールが来ていたのだが、どれも励ましてくれるような内容だった。  そして最後に送られてきたのが今さっきのようで、 『とりあえず! 連絡できるようになったら連絡してくれっ! 俺は望からの連絡を待ってるからさ!』  とだけ書かれていた。 普段とは変わらない和也からの文面なのだが、今までのメールの内容を読み返してみると、本当に和也たちも心配しているのだということが伝わってくる。

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