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ー空間ー182

「ここが俺の部屋や……」  と案内してくれる。  望は返事をしないまま雄介の部屋の中を眺める。 家は和風のわりには部屋の中は現代風というべきなのか、八畳くらいの部屋にはベッドがあって、机があって、その上にはパソコンが置いてあった。  床も畳だと思っていたのだが、そこは絨毯が敷かれているのでベッドでも合うのかもしれない。 「まぁ、手にしている荷物は机の椅子にでも置いておいて……。 上着はそこのハンガーに掛けておいたらええし。 まぁ、地べたに座ってもええねんけど、今日は疲れておるんやし、ベッドの端にでも座ったらええと思うで。 それに、今日はもう早く寝た方がええねんやろ?」 「……って男二人でシングルベッドかよ!」 「しゃーないやんか……客間の方は今はもうあまり使っておらんから、埃まみれやと思うしな」 「それだったら、俺はそっちで寝るよ。 お前とだと寝れるもんも寝れなくなるしな。 だから、とりあえず、そこに案内してくれよ」  雄介は仕方なさそうに息を吐くと、望の体を後ろから抱き締める。 「あんな……今日は俺等大変な目に遭ったやろ? そのせいで二人だけの時間が減ってもうたんやぞ……お前はそんな時間を削られてしもうたやんか。 俺からしてみたら、ホンマ……それが嫌やったんだからな……痛っ!」  話を終えた頃に急に雄介が痛みを訴える。  どうやら先程負った傷が痛み出したようだ。  望はため息を吐くと、雄介に背中から退くように言い、スーツの上着を脱ぐと雄介のベッドへと潜り込む。 そんな望に雄介は軽く微笑むと、望が入って行った布団の中へと入り、望の背中から彼を抱き締める。 「つーか……お前って本当に馬鹿だよな……」  いきなり望が口を開いたかと思ったら、そんなことを口にしていた。

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