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ー空間ー187

「望……風呂から上がってきたんか?  今から飯作るし、そこにある食卓の椅子にでも座っておいて」 「あ、ああ、ありがとう」  望はそう雄介に言われて食卓の椅子へと腰を下ろした。  すると、その席からも見えるのはリビングにある大きなテレビ。  テレビでは昨日のハイジャックのニュースが流れており、望もそのニュースを真剣な瞳で見つめていた。 『さて、昨日のハイジャック犯の事件ですが、その中の一人が殺人犯だったらしく、逃走中の犯人だったらしいのです。 後の三人はネット上で集められた集団で、犯行の動機については「世間をあっと言わせたかった」と供述していると警察関係者からの情報です。 そして、その中の二人は飛行機の操縦をしてみたかったということからハイジャックを企てたと言っていたとのことでした』 「……ったく!  何だよ、この犯人たち! 動機があまりにも身勝手過ぎねぇか!? 自分たちの自己満足で乗客を怖がらせるなんてさ!」  望は無意識だったのだろうか。 今まで昨日のニュースを大人しく見ていたが、あまりにも犯人たちの身勝手な犯行にムカついたらしく、声を上げてしまっていた。 「せやな……ホンマ、今の人間っていうのは勝手な奴が多過ぎるな。 多分、小さい頃に親や教師に何も社会について教わってこなかったっていう証拠なんやろな?」  雄介はその望の独り言を聴いていたのか、望の言葉に返事するかのように言いながら、出来上がった料理を食卓へと運んできた。  望はそんな風に言う雄介にハテナマークを浮かべながら、雄介のことを見上げた。

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