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ー空間ー221

「ほんなら、飯食い行こっ! とりあえず、どうせなら、お好み焼きにせぇへんか? 大阪って言うたら、お好み焼きにたこ焼きやろ?」  そうやたら元気に振る舞う雄介。 でも、それは望からしてみたら空元気にしか見えない。  とりあえず望はエンジンを掛け、雄介が行きたいと言っているお好み焼き屋へと向かう。  もう外ではイチャイチャな事やラブラブな事は出来ない。 やはり、この前、和也が言っていた通りに和也の車の中でイチャイチャしておけば良かったと、今更後悔しても遅い。  本当は望だって雄介に甘えたいと思っている。 だが、この場所では、いや公共の場においては同性同士というのは公認ではない。 だから、そんな事が出来るわけがないと思っているから望は外ではイチャイチャな事をしたがらないのだろう。  お好み焼き屋に向かっている間、本当に今日の雄介の様子は変で、一方的に何かを話している。 今の望は頭の中で考える事が多過ぎて、雄介が言っている事なんて一切耳には入って来ないという感じだ。  そして雄介が言っていたお好み焼き屋まで来ると、駐車場へと車を止めて店内へと足を運ぶ。  まだお昼を過ぎたという時間帯。 店内は混雑していて騒ついている。  雄介と望はそんな中、店員さんに案内されて席へと腰を下ろす。  向かい合わせに座ると、雄介と望の前には鉄板があって、どうやらこの店では自分で焼くシステムになっていた。 「今日は何にしようかな?」

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